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風見を驚かせた音の主は、
ステンレス製のゴミ箱と厚みがある
お見合い写真だった。
この状況だけで、降谷が何をしたか直ぐに理解を得る風見。
「失礼します」と呟いたあと、床に横たわるゴミ箱を素早く起こし、同じく床に広がっていたえんじ色の台紙を拾い上げ机の上にそっと置く。
「あーあ..こんな所を見られたら、この方のご家族が悲しみますよ？」
「知るか。」
ふんっと、鼻を荒く鳴らしながら風見からそれを
嫌そうに受け取ると、先程とは別の引き出しを開く。そこには似た様なお見合い写真がいくつも乱雑に重ねられている。
「もう、うんざりだよ。君が、これを処分してくれないか？増え過ぎて困ってるんだ。」
「冗談きついですよ、降谷さん。」
風見は苦笑いしつつも、慣れた手つきでお見合い写真の１つを抜き取ると、見開きのページをまじまじと見入る。
凛とした瞳に、流れるような黒髪がとても印象的なその女性。如何にも値のはりそうな百合の大柄の振袖に身を包み、こちらにニコリと美しい笑みを向けていた。
「ほぉ、これはまた...凄い美人。勿体無いですね、一回くらい会ってみたいと思わないのですか？貴方程なら、選び放題じゃないですか。」
「興味無い。時間が惜しい。」
更に、「そんな事するなら、仕事した方がマシだ。」と付け加える。降谷は机上でマウスを転がしながら、つまらなさそうにPCの開きっぱなしのファイルを次々と閉じて行く。風見は、降谷の色めいた話に興味が失せる事無く、話をやめようとしない。
「で、でもっ！結婚すれば、身の回りの世話に困る事無く、安らぎだって得れるんですよ。」
「そうかな？僕は、自分の事は自分でこなせるさ。それに良く知りもしない他人から、安らぎを得れるなんて到底思えない。」
それは、風見にとって想定内の返答だ。
「このお相手の方々..皆家柄が凄いですね。降谷さんだって、上昇志向が無い訳じゃない。これを利用する気がないなんて、さては..心に決めた方がいるんですね？」
風見はパタンと台紙を閉じ元の場所へ戻すと、片眉を僅かに下げながら思った。
この人は...もっと、素直になれないものか..
「風見ぃぃ、今日はやけにおしゃべりじゃないか。」
「いや、別に自分は..すみません、そんなつもりでは..」
慌てて首をぶんぶんと揺さぶる。
「折角、美味い飯屋に連れて行こうと思ったのにな。連れてってやらないぞ？」
「えっ、」
今度は悪戯っぽく笑ってみせ、風見を困らせた。
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ぷぅ(プロフ) - うわぁ、新人に降谷さんが好きですって言えなくて新人の恋愛に協力して下さいって言われたら私だったらこう言ったら｢何でですか？｣って理由を聞かれるだろうけど｢ごめん、無理｣って言っちゃうだろうなぁ(ノдヽ) (2019年11月7日 12時) (
レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール(プロフ) - うわっめっちゃいい所で！更新待ってます！大好きです！ (2019年11月5日 23時) (レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - ヒロインが降谷さんの好きな人って分かったら婚約者(振られてるから元婚約者になるのかな？)きれいな顔をしておいて降谷さんにヒロインの事を幻滅させるような何かひどいいじめみたいな事して来そうで怖いから近づきたくない( ´-ω-) (2019年10月14日 12時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - うわぁ、好きな人が婚約者と話してる所を見るの嫌だし、その間に入るのも嫌だなぁ( T∀T)私なら仕事があるからとかって言って逃げちゃう( ＞Д＜；)でも降谷さんはヒロインを呼んでどうするんだろう？( ´△｀) (2019年10月14日 12時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
蘇澳(プロフ) - とっても素敵な文章と内容で、時間を忘れてずっと読んでいました！凄く続きが気になります！応援しています！ (2019年9月8日 9時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポポロン | 作成日時：2019年6月15日 12時
