10.常 ページ10
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いつも通りの朝
いつも通り本を持って、いつも通り外に出る
そしていつも通りそこにいる
たばこをふかしてジョウロを傾ける白衣を着たお医者さん
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『あ、』
「ん、?あぁ、Aちゃんおはよぉ」
『……おはよう』
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受け入れてはない、だけど自覚はした
私は多分、この人のことが、好き、だ
だけど、まだ信じるのは怖い、もうあんな思いしたくない
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「あ、これあげる」
『……じょうろ?』
「そ、俺の代わりにお水あげて?笑」
『なんでよ……』
「いっつもベンチで座っとるだけじゃすぐおばあちゃんなるでー?」
『!!余計なお世話っ!』
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ははは、と笑いながらたばこをふかす
まぁ花を愛でるのは嫌いじゃない
と、思いながら水をあげていれば突然くる嗚咽
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「あーあ、来てもうたかぁポロポロタイム」
『……っ、?いっつ、も、きてる、じゃない……?』
「んー?いやそろそろ心も落ち着く頃かなぁ思ったったけど、思ってたより過去に縛られとるね」
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悲しそうに笑う彼を見て心が痛む
そんな顔をしないでほしい
私は大丈夫だよ、もうとものことは忘れるから
そんな顔しないで
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「んー、よしよし、あーたばこ勿体無いけど消すかぁ」
『……?吸ってて、いぃのに……』
「いや、たばこ持ってぎゅーするのは危ないやん」
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携帯灰皿で火を消しすぐに私をふわっと抱きしめた
たばこの煙いにおいと白衣から香る香水の匂いが混じっている
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『……はっ、ぁ………ふぅ、ぇ、』
「…………今日は本持っとるんやね」
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本は、もう無くてもいいけど、朝ここに来るときにはなんとなく無いと落ち着かない感じがあったから持ってきただけ、
赤ちゃんが人形を肌身離さず持ってるのと同じ様なもの
だから、もうとものことはそんなに引きずってないんだよ
今私の頭にあるのは貴方のことばっかりだよ
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そんなことを考えているときに落とされた爆弾
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「……なぁ、神ちゃんに、会いたい?」
『……え?』
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瞳が、揺らぐ
私も、
……きっと目の前の貴方も、
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……抱きしめる力が強くなった
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青いみかん(プロフ) - ★さん» 指摘ありがとうございますm(__)m訂正しました (2017年12月10日 11時) (レス) id: 07f408f476 (このIDを非表示/違反報告)
★ - 11【こうなる事わかってくせに】→わかってるくせに では? (2017年12月6日 17時) (レス) id: 44661be576 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:杏. | 作成日時:2017年11月25日 21時