四十五箇所目 ページ46
Aside
あたしは海軍が嫌いだ。それは今までのあたしの反応や行動を見れば直ぐに分かると思う。
そうなる理由はただ一つ、あいつらがあたしから何もかもを奪っていったから。居場所も、家も……家族も。
あたしはあいつらにとって非常に都合の悪い村で生まれた。その村の唯一の生き残りがあたしだ。
元々その村では、あいつらが好き勝手に定めたルールがあった。それに従わないものは即死刑にされ、家族はおろか近所に住んでいるだけでも連帯責任だとかいって罰を受けさせられた。全てはあいつらの気分次第、本当に酷いルールだった。
それでも、あたしは……家族がいればそれだけでよかった。どんなに辛い日常であっても、家族と一緒に笑って暮らせていればそれで良かったんだ。それだけで……幸せだった。
そんな幸せは、ある時突然奪われた。中心的に村を仕切っていた海軍の一人が、こう言い出したんだ。この一言で、あたしの日常は終わった。
『お前達は俺達を本気で怒らせた、よってこの村の者全ての人間を死刑にする！ 死を以て罪を償うがいい！』
後から調べたら、その時海軍側で大幅な制度改革があったらしい。その結果こいつらが今まであたし達に行っていた悪行がバレて解雇されるのを恐れ、隠蔽工作をしようとあたし達を全員死刑にしようという魂胆だったらしい。理不尽であまりにも自分勝手な理由だよ。そんなあいつらの都合で、あたしの大好きだった村が、人が……犠牲になったんだ。
両親はあたし達だけでも逃げて欲しいと言って、あいつらの気を一生懸命引いて犠牲になった。あたしはまだ幼かった弟の手を引いて、必死に逃げ回った。悔しくて悲しくて、でも弟を逃がさないとってとにかく必死だったよ。
｢お姉ちゃん……怖いよ……｣
｢大丈夫だよ、レヤ。お姉ちゃんがあんたを守ってみせる、だから安心して眠りなさい｣
夜になると弟は恐怖からか怖がってずっと泣いていた。そんな弟を安心させたくて、あたしはずっと眠らず見張っていた。その時からだね、あたしが眠れなくなってしまったのは。それでも平気だった、あたしにはもう弟しかいない。それに、寝ている間にもしもって考える方が恐ろしかった。
｢いたぞー！｣
ある時、あたし達は遂にあいつらに見つかってしまった。仕方ない、そう覚悟を決めたあたしは弟だけは逃がそうと前へ出ようとした。そんな時だった。
｢お姉ちゃん、今までありがとう｣
前に出ようとしたあたしを、弟は止めてからこう言ったんだ。
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ポプリん(プロフ) - 翠さん» 翠様、コメント下さりありがとうございます！ 身に余るお言葉の数々、痛み入ります。本当にありがとうございます！ 次回は短編に挑みたいと考えておりますので、是非また楽しんでいただけたらと思います！ (2023年3月28日 8時) (
レス) id: 7e262a9db9 (このIDを非表示/違反報告)
ポプリん(プロフ) - まおさん» まお様、コメント下さりありがとうございます！ 応援までしていただけて本当に嬉しいです！ 素敵なアイデアありがとうございます♪シチュ溜めをして短編にしようと思うので、他にもアイデアあれば是非教えてください！ (2023年3月28日 8時) (レス) id: 7e262a9db9 (このIDを非表示/違反報告)
ポプリん(プロフ) - きてぃーさん» きてぃー様、コメント下さりありがとうございます！ 遂に完結させることが出来ました、応援して下さり本当にありがとうございました！ (2023年3月28日 8時) (レス) id: 7e262a9db9 (このIDを非表示/違反報告)
翠(プロフ) - 完結おめでとうございます。とても素敵なお話で前から応援させていただいていました。とても好きな作品でした。お疲れ様でした。 (2023年3月27日 13時) (レス) @page50 id: 090a3776e1 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 更新楽しみにしてました！！イチャイチャや嫉妬する姿見てみたいです（ ; ; ）🌟 (2023年3月27日 3時) (レス) @page50 id: 2c8060619c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポプリん | 作成日時：2022年8月14日 18時
