三十八箇所目 ページ39
Aside
一通り回り、船に戻ったあたしはこっぴどくナミに叱られるルフィを慰めていた。まあ今回は明らかにルフィが悪いけど、あたしも久しぶりに楽しいって思えたから……ルフィには感謝してるよ。
「ルフィ、風邪引くよ」
夜、あたしの付き添いをしてくれているルフィに毛布を渡し、横に腰掛ける。今日は本当に楽しい一日だったね。
「……なあ、A」
「ん？ どうしたのルフィ」
「あのよ……ずっと聞きてえ事があったんだけどよ……レヤって誰なんだ？」
ルフィの言葉に、あたしは固まった。なんで、どうしてルフィが……あの子の名前を知ってるの……？
「なんで……」
「……お前、たまに俺が寝てる時とか俺の事そう呼んでんだよ。だから……聞いていいのか悩んだんだけどよ……」
「……」
ルフィにそう言われ、あたしは少し納得した。無意識のうちに、ルフィとあの子を重ねてしまっていたんだね。こうなったらこれだけはルフィに打ち明けてしまおうか……そう思ったあたしは意を決して口を開いた。
「……あたしにはね、弟がいたんだよ。それがレヤ……弟の名前だ。あんたみたいな……よく笑って甘えん坊のね。だからあんたを見てると、時々弟の事を思い出してしまうんだよ。あんたには悪いとは思ってるんだけどさ、どうしても……重ねてしまうんだよ」
あたしは空を見上げながら、静かにそう言った。ルフィには嫌な思いをさせてしまったかもしれないけど、どうしても重ねてしまうんだよ。
「……俺よ、お前の弟にはなれねえ！ それに俺は、お前に男として見て欲しいんだ！」
「……え？」
「けど、お前がそれで楽しいって思えんなら、たまになら弟になってやるよ！ その代わり条件付きだ！」
「条件……？」
「俺だけに、お前の顔見せてくれよ！」
ルフィはキラキラした目をあたしに向けながらそう言った。まさかの条件に驚いたものの、今は夜でルフィ以外は誰もいない。あたしは静かに立ち上がり、ルフィに向き直ると帽子を取る。バサッと解放された髪が、風に靡く。そろそろ切らなくちゃなと思いつつ、そっとマスクを外した。
「……これで、いい？」
「……！」
あたしの顔を見たルフィは、目を見開いて固まってしまった。恥ずかしくなりマスクを付けようとするあたしの手を、急にガシッと掴むと、ルフィは大声で言った。
「……すっげー綺麗だ！ なんで隠しちまうんだよー！ あ、けどやっぱり隠しててくれ！ 俺だけがAの素顔を知っておきてえんだ！」
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ポプリん(プロフ) - 翠さん» 翠様、コメント下さりありがとうございます！ 身に余るお言葉の数々、痛み入ります。本当にありがとうございます！ 次回は短編に挑みたいと考えておりますので、是非また楽しんでいただけたらと思います！ (2023年3月28日 8時) (
レス) id: 7e262a9db9 (このIDを非表示/違反報告)
ポプリん(プロフ) - まおさん» まお様、コメント下さりありがとうございます！ 応援までしていただけて本当に嬉しいです！ 素敵なアイデアありがとうございます♪シチュ溜めをして短編にしようと思うので、他にもアイデアあれば是非教えてください！ (2023年3月28日 8時) (レス) id: 7e262a9db9 (このIDを非表示/違反報告)
ポプリん(プロフ) - きてぃーさん» きてぃー様、コメント下さりありがとうございます！ 遂に完結させることが出来ました、応援して下さり本当にありがとうございました！ (2023年3月28日 8時) (レス) id: 7e262a9db9 (このIDを非表示/違反報告)
翠(プロフ) - 完結おめでとうございます。とても素敵なお話で前から応援させていただいていました。とても好きな作品でした。お疲れ様でした。 (2023年3月27日 13時) (レス) @page50 id: 090a3776e1 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 更新楽しみにしてました！！イチャイチャや嫉妬する姿見てみたいです（ ; ; ）🌟 (2023年3月27日 3時) (レス) @page50 id: 2c8060619c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポプリん | 作成日時：2022年8月14日 18時
