十九箇所目 ページ20
Aside
夜、みんなを見届けたあとあたしはルフィと並んで、ルフィの特等席に座る。何故かルフィはあたしをここに座らせたがるので、てっきりみんな座れるものだと思ってたけど、どうやら珍しい事らしい。
「星が綺麗だね、ルフィ」
「そうだな！ あれなんか肉みてーな形してんぞ？」
「そう見えなくはないけど、あたしは動物に見えるかな」
互いに落ちないように密着しながら、ルフィは嬉しそうにあたしを後ろから抱きしめる。この子は抱きしめ癖があるみたいだね、本当に小さい子供みたいだ。
「……なあ、A」
「……ん？ どうした？」
「Aって、いつから眠れなくなったんだ？」
珍しく真剣なルフィの様子に、あたしは少し驚いた。まさかルフィからこんな事を聞かれるとは……少しだけ悩んだ後、あたしは静かに口を開いた。
「子供の頃からだよ。多分赤ん坊の時は眠れていたんだろうけど、物心ついた時にはもう眠れなくなってたかな」
「そんな前から眠ってねーのか？ 俺なら考えらんねーよ……」
「そうだろうね。まあ今となっては慣れたものだよ、それにね……」
「なんだ？」
「夜も案外悪くないなって思うんだ。みんな寝てしまって静かだけど、だからこそ本当の自分を解放できる時間って感じがするの」
今でこそこうして話し相手がいたりもするが、どことなく解放的になる気がする。今日あったことや昔のことを思い出したり、明日は何をしようかと考えたり……星や月を見つめたりと出来ることは意外と沢山ある。
「でもね、ルフィ達と過ごすようになってからは一人より二人で過ごす夜の時間の方が楽しいなって思う。今までは一人の時間だったから、つまらないと感じることもあったけど、今は毎晩楽しいって思える……ありがとうね、ルフィ」
「……A」
「きっかけは急だったけど、ルフィに連れ出して貰えて良かったって思ってるから。何となく今日はお礼が言いたかったの。気にしないで」
「……そっか、お前が楽しいって思ってるなら俺も嬉しいぞ！」
ギューッと効果音がつきそうなくらいに強く抱きしめられ、あたしは驚いて後ろを見る。満面の笑みを浮かべるルフィ、満天の星空に良く似合う。眩しくて暖かくて……どこか悲しい、そんな笑顔。
「……ありがとう」
「おう！」
「ねえルフィ、あそこの星サンジに似てない？」
「ほんとだ！ じゃああっちはゾロだな！」
「あはは、確かに」
「あ、A見つけたぞ！」
「えーどこどこ？」
「ししし、内緒だ！」
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ポプリん(プロフ) - 翠さん» 翠様、コメント下さりありがとうございます！ 身に余るお言葉の数々、痛み入ります。本当にありがとうございます！ 次回は短編に挑みたいと考えておりますので、是非また楽しんでいただけたらと思います！ (2023年3月28日 8時) (
レス) id: 7e262a9db9 (このIDを非表示/違反報告)
ポプリん(プロフ) - まおさん» まお様、コメント下さりありがとうございます！ 応援までしていただけて本当に嬉しいです！ 素敵なアイデアありがとうございます♪シチュ溜めをして短編にしようと思うので、他にもアイデアあれば是非教えてください！ (2023年3月28日 8時) (レス) id: 7e262a9db9 (このIDを非表示/違反報告)
ポプリん(プロフ) - きてぃーさん» きてぃー様、コメント下さりありがとうございます！ 遂に完結させることが出来ました、応援して下さり本当にありがとうございました！ (2023年3月28日 8時) (レス) id: 7e262a9db9 (このIDを非表示/違反報告)
翠(プロフ) - 完結おめでとうございます。とても素敵なお話で前から応援させていただいていました。とても好きな作品でした。お疲れ様でした。 (2023年3月27日 13時) (レス) @page50 id: 090a3776e1 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 更新楽しみにしてました！！イチャイチャや嫉妬する姿見てみたいです（ ; ; ）🌟 (2023年3月27日 3時) (レス) @page50 id: 2c8060619c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポプリん | 作成日時：2022年8月14日 18時
