北斗先輩と私が恋をするまでのお話 (ページ14)

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北斗先輩【昨日あんたが言ってたギャップってやつ。あんたもそうだから。】

A【どんなギャップですか？】

北斗先輩【黙ってれば綺麗な子なのにしゃべりだすとベラベラ、ベラベラ。よく笑うやつなんだなって】

A【私…先輩に嫌われたかと思ってたから…嬉しいです】

北斗先輩【別にいやだなんて言ってない。
だからそんなに俺に気使って謝んないで
顔に似合わずヘラヘラしてな】

A【結局馬鹿にしてます？】

北斗先輩【誉めてますよ】
と意地悪な顔をして笑う。

あー。今の顔はずるい。
私の心から変な音がしたのが分かる。
先輩と一緒にいると初めての感情が私の中を埋め尽くす。
誰かといてこんなに幸せだと思ったのは初めて。
先輩が発する一言一言にドキドキする。
落ち込んだり嬉しかったり気持ちが忙しい。
先輩の少し低い声がとても落ち着く。
ずっと耳に残したいと思うほど。
あの日から私はもう一度先輩と話したいと思っていただけ。
どんな人かもっと知りたいと思っていただけ。
友達になりたい、ずっとそんな感覚なのかなと思っていた。
でも私はこの日新しい気持ちに気づいてしまった。
私はこの人に触れたいと思ってしまった。
Ａ君の時とは確実に違う。
これが恋心なんだって嫌でも気づくことができてしまった。