真夏の布団の中で ページ5
『…亮平くん』
｢ん？どうしたの？｣
『暑い…』
｢んー。それは俺にくっついてるからじゃないかな？｣
たまにあるAちゃんがくっついてくる日。
それが今日だった。
俺の腕の中に収まり、暑いと呟きながらも離れる気はなさそうなAちゃん。
『…だって、離れたくない』
｢そんな事言われても…汗かいちゃうから離れてください｣
『やだ』
｢暑いんでしょ？｣
『うん、暑い』
｢ほら｣
『やだ』
なんて、やり取りを永遠に続ける俺たち。
俺は目を瞑りながら、腕の中にいるAちゃんの頭を優しく撫でていた。
『亮平くん』
｢んー｣
『暑い』
｢はいはい。寝なさい｣
『んー』
なんて、少しAちゃんの唸り声を聴きながら、頭を撫で続ける。
『亮平くん』
｢なーに？｣
『好き』
｢はいはい、俺も好き…え？｣
瞑っていた目を開き、Aちゃんを見ると嬉しそうに笑うAちゃんが腕の中に居た。
『亮平くん照れた』
｢ちょっと不意はやめてよ｣
『だって、適当に流すんだもん』
ちょっとだけ頬っぺを膨らますAちゃん。
そんなAちゃんの頬っぺに手を伸ばし、優しくぎゅっと膨らんだ頬っぺを潰すと、突き出た唇。
その唇にそのままちゅっと優しくキスをすると慌てて、俺から離てしまう。
『亮平くん！』
｢えー、だって構って欲しかったんでしよ？｣
『もう…寝る！』
そのまま、俺に背を向けて寝ようとしているAちゃんを後ろから抱きしめる。
『暑いです』
｢我慢してください｣
そんなやり取りをしてたらいつの間にか2人とも寝ていた。
次の日の朝は汗を大量にかくていたけれど。
──
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作者名：ぽぽ
| 作成日時：2021年9月12日 12時
