【完】梅 と 松【梅原裕一郎】

次の日のことは ページ20

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仕事が終わって帰って来たら、もう先にAは寝ていた。明日は午後からなのに寝るの早いな。
起こさないように風呂に入って、リビングで明日の台本チェックをしてたらAが起きてきた。

『おはよう…おかえり』
「ただいま。起きたの？」
『うん…帰って来て寂しかったし早めに寝たら起きちゃった』
「寂しかったんだ。おいで」

隣に座るのかと思ったら、膝の上に座ってきた。

「対面座位じゃん」
『言うと思った。すぐそういうこと言うよね』
「だってそうじゃん。このまま立ったら駅弁だよ」
『言わなくていいの』

頭の七割はそういう事を考えているんだから、口からぽんぽん出てくる。すげぇわ。事務所からは下ネタ止められてるんだから家では許して欲しい。

『明日早い？』
「Aと同じくらいかな。起こしてくれる？」
『分かった。じゃあもう寝ようよ』
「まだ髪乾かしてない」
『濡れたまま放置したらダメなんだよ〜ってうめがいつも言ってるじゃん』
「乾かすのダルい」
『私がしてあげるね。待ってて！』

ドライヤーを取ってきてくれて近くのコンセントに刺した。Aはソファーに座って、その足の間に降りて乾かしてもらった。
生脚がすぐ横にあるので遠慮なく触ったらドライヤーで叩かれた。地味に痛い。

『はい終わり！うめの髪がサラサラになりました』
「ありがとうございました」
『はーい』

視線をAに向けて、見つめてみた。太ももに顎を置いたらいい感じのアングルだ。

『上目遣いずるいんだよ』
「Aもいつもこうしてるよ」
『あざといことしてるね。もう寝ようよ』
「ん。台本片付けるわ」
『はーい』

それからベッドへ行った。けどなんとなく眠れなくてAにちょっかいを出してたらそういう雰囲気になって、一発だけ。怒られたけど。

『うめのばか』
「馬鹿って言う方が馬鹿。気持ちよさそうな顔してたくせに」
『あーもう言わないでよ』

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