【続】梅 と 松【梅原裕一郎】

目覚めの ページ37

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結婚して名字が梅原になったこと以外は特に変わったところは無かった。むしろ変わりが無さすぎて少しは変われよ！と思う時があるくらい。
手続き系を終わらせてようやく一休み出来た。

『うめ、うめ』
「なに」
『やっと全部梅原になったよ』
「長かったね」
『うん。なんかいっぱい変えた』
「じゃあ呼び方も変えなきゃね」
『えっ』

1度だけ『裕一郎』と呼んだことがあるけど、甘噛みしちゃってそれっきりだった。

『裕一郎って呼ぶの？』
「うん。呼んでみて」
『ゆ、ゆういちろう…』
「なんか違うな」
『ゆーいちろう？』
「それも違う」
『ゆ…いや、呼ばせたいだけでしょ』
「バレた」

すぐこういうことしちゃうんだから。かわいいなぁもう。

「名前で呼ぶがハードル高いなら徐々にでいいよ」
『えへ、助かります』
「明日の現場何時？」
『明日はね、９時から』
「早いな。入れ違いになるか」
『うめ明日遅かったもんね』

仕事内容によって時間が変わるから、どっちかが寝てる時に仕事へ行くなんてざらにある。

「18時からなんだけどそれまでに帰って来れる？」
『一応昼過ぎには終わる予定だから帰って来れると思うよ。あ、でもちょっと買い物して帰ろうかな』
「いや、買い物いいから帰ってきて。起こして欲しいし」
『何時まで寝るつもり…？』

起こさなければ無限に眠れてしまうみたいで、私がめざましにならないといけないのは昔から変わらない。

『帰ってきて起こすね。ギリギリになったらごめんだけど』
「一応めざまし掛けとこうかな」
『それがいいですな。起こしてるのに起きなかったらチューして起こすね』
「結構です」
『なんでよ〜』

まあ結局いつもバレないようにしてるんだけどね。
これは秘密です。

「Aが明日起きる時一回起こして」
『分かった。行ってらっしゃいのチューしてあげるってこと？』
「違うわ。そこで起きたらずっと起きてられると思って」
『なんだ……違うのか…』
「そんなにしてほしいの？」
『うん、してほしい』
「じゃあベッド行こう」
『そ、そこまでガチのやつでは…』

あ、だめだ。この目はもうそういう目になっちゃってますね。
明日も朝早いのに。けれど受け入れちゃうあたり私は本当にうめのことが大好きなんだと思う。

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