【続】梅 と 松【梅原裕一郎】

思春期男子 ページ13

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写真集を出すことは誰にも言ってなかった。ラジオで発表して色んな人から連絡が来て楽しみにしてると言ってくれた。もちろんうめにも秘密だった。

「だからなんかコソコソとダイエットとかしてたのか」
『コソコソはしてないけどね！』
「で、どんな写真あんの？」
『制服とか水着とか』
「水着…！？」

バッと立ち上がって驚いたうめ。そんなに驚くことかな。あとは文章とか書いたことを言ったら、ふーんって感じだった。

「どんな水着なの」
『そこ気になる？見るまでの秘密だよ』
「はぁ…別に水着以上のもの見てるからいいけど。なんで秘密にしてた？」
『え、そんな言うとこかなって…あとびっくりさせたくて…怒ってる？』
「別に」

いや、怒ってるようにしか見えない。顔怖すぎるんだけど。やばい、空気が冷たくなってきた。

『も、もう〜そんな怒んなくても〜』
「うるさ」
『ごめんなさい』
「露出度高い格好して、そういう目で見られたくない」

お…なんか心配してくれてる…嬉しい。
思わず抱き着いたら、離れろって引き剥がされたけど。

『最初で最後の写真集にするね！』
「うん、そうして」
『まさかそんなに私を独り占めしたいだなんて可愛いなあ〜』
「誰もそんなこと言ってない」
『またまた〜』
「調子乗りすぎ」
『いてっ』

おでこをペシンとされたので黙ります。
スマホに入ってる送ってもらった写真データを内緒だけど見せてみた。

「へえ〜いいじゃん。ふーん。電子書籍では出ないの？」
『一応出すみたいではある』
「じゃあ電子書籍でも買うか」
『お買い上げありがとうございます！でも実物はちゃんとプレゼントするからね！』
「もらっとく」

写真を拡大してピンポイントに見たりして、何故か水着の写真だけは長い時間見ていた。完全なる変態である。

「写真より実物の方があるな」
『そういう味方するの多分うめだけだよ』
「俺以外にいてたまるか…」

そう言ってまた写真を眺めてるうめは、なんだか思春期でそういうことしか考えてない中学生男子にしか見えなかった。

「俺以外の奴は電子書籍版買えないようにならないかな」
『うーん、多分ならない』

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