梅 と 松【梅原裕一郎】

このまま二人で ページ9

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ヨシキくんに「ご飯行こう」と誘われて、帰ってきた。普段なかなかしない話とか仕事の話をしてあっという間に時間は過ぎた。

次の日、目が覚めて今日はグッズパンフレット撮影だというのにクマが酷い。ホットアイマスクして寝ればよかったな〜と思いつつ撮影スタジオに向かった。
現場にはもう共演者の人達が着いていて順次メイクなどをしていた。

今日の現場にも梅ちゃんはいるわけで、少し緊張する。しかもお互いの役は割と関わり合う役だから二人で映る写真も多い。
スーツを着ている彼は鼻血が出そうになるくらいかっこよくてびっくりした。

「おはよ」
『おはよう。なんかスーツ似合う』
「Aは着られてる感がすごい」
『私も思った』

撮影は順調に進んで、最後は全員の集合写真を撮った。
もちろん隣には梅ちゃんがいて、距離も近い。
カメラマンに「もうちょい梅原さんと松永さん、仲良しそうに出来ない！？」と言われて、こんなに近い距離なのにこれ以上どう仲良しそうにすればいいんだと言いそうになった。

「これでいいですか？」
『ひゃっ、』
「そうそう！最高です！じゃあ撮りますね〜」

これでいいですか？と言った彼は肩を抱いてきた。
びっくりして変な声が出たけど、小さかったから聞こえてないみたい。
最後の1枚を撮り終えて撮影は終了した。

着替えてる間も、さっき触れられたことに対してドキドキしてしまって上手く息が出来なかった。
共演してる人達に気付かれてないよね、こんなの。
なんであんなにドキドキさせるのが上手いの…

全員着替え終わって、打ち上げに行こうとなった。まあわりと人数がいるからぞろぞろ歩いてるわけで、私と梅ちゃんは自然と後ろの方にいった。

「打ち上げって、撮影しただけじゃん」
『そんなこと言わずに、楽しかったしね』
「まあ撮影だけどね。イベントなら分かるけど、てか撮影で打ち上げあるならイベントでも打ち上げあんのか」
『めんどくさい？』
「まぁ。飲まないし」
『隅っこの方でじっとしてたらいいんじゃないかな』
「お前もそうするの？」
『そうだね〜あんまり飲まないし』

出来ることならこのまま気付かれないように抜け出したい。でもそんなこと出来ないしお開きになるまでは隅の方でじっと待ってようと思ってたその時。
梅ちゃんが先頭の方にいる先輩に何か言いに行った。

「行こう」
『えっなに』
「じゃあお疲れ様です」
「お疲れ〜」
『あっ、お疲れ様です！』

いや、ほんとに抜け出す人達いる？

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