心配性 ページ35
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お兄ちゃんが来てしまった。アポ無し突撃訪問は本当に困る。せめて夜とかなら良かったのに、朝はダメだよ。
『お兄ちゃん、何か用事あった?』
「仕事でこっちにきたから寄ってみたんだけど、なんか…」
『そうなんだね!忙しいのに寄ってくれてありがと!嬉しいよ!久しぶりだもんね!』
「何のお仕事してらっしゃるんですか?」
うめが喋った!お兄ちゃんもビクってなった!
「え、えーっとマネジメントを…」
「へえ。すごいですね。お忙しそう」
「そこそこ忙しくしてる…してます…」
お兄ちゃんの口調が迷子だ…歳上なんだからタメ口でいいんだよ…
「う、梅原さんは今Aとアニメの仕事してるんですよね、いつもお世話になってます」
「こちらこそ、助けられてばかりなので」
『いやいやそんな事ないよ私の方が助けられてるもん!』
「え、A!?」
『はっ!』
いつもの勢いでボディタッチしたらびっくりされた。軽く腕を掴んだだけなのに。
『と、とにかくお兄ちゃん私たち今日収録のお仕事だからそろそろ準備しなきゃいけないな〜』
「ああそっか。兄ちゃんも打ち合わせがあったの思い出したからお暇することにしようかな」
『せっかく来てくれたのに何も出来なくてごめんね』
「こっちこそいきなり来てごめん」
よし、これで平和的に終わりそうだ。
カバンを持って立ち上がったお兄ちゃんが玄関に行ったので見送ることにした。
靴を履いて出る直前、何かを思い出したかのように振り返ってこう言った。
「お仕事終わったら教えて、今夜帰るからその前にご飯でも行こう」と。
『本当にごめん、めちゃくちゃ振り回してる』
「いやいいよ。愛されてんじゃん」
『なんていうか…うん。そうなんだけど、可愛がってくれてるんだけどね』
私もお兄ちゃんが大好きだし、お兄ちゃんもそう思ってくれてるのは分かる。ただ少し心配性というか。声優になるために上京したとき、両親以上に心配してた。だから最初の一年はお兄ちゃんと一緒に暮らしてた時期もあった。
あー、仕事行く前にこういうの思い出しちゃダメだな。
『準備しよ、ね。うんうん』
今夜お兄ちゃん帰るし。少し心に何かがあるのを抱えながら二人で家を出た。
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ばんそうこう(プロフ) - p@n@さん» なるほど…!ラジオで公表する前のお話だったのですね。返信ありがとうございます!引き続き応援しております! (2021年1月4日 0時) (レス) id: 61bb474ff8 (このIDを非表示/違反報告)
p@n@(プロフ) - ばんそうこうさん» コメントありがとうございます!ややこしてすみません。ラジオで発表したあとにTwitterで公表していますが彼はその放送前に知ったような流れです。近く修正しようと思います! (2021年1月3日 23時) (レス) id: 82332159e0 (このIDを非表示/違反報告)
ばんそうこう(プロフ) - 楽しく読ませていただいております!29ページのTwitterでたろりは二人が付き合っていることを把握している様子なのですが、31ページでは初めて知ったような描写がありますが…時系列について混乱してしまいました。読み落とし等ございましたら申し訳ございません! (2021年1月3日 23時) (レス) id: 61bb474ff8 (このIDを非表示/違反報告)
p@n@(プロフ) - スーさん。さん» あ、あ、ありがとうございます……!とても嬉しいです。これからも頑張ります! (2020年8月2日 2時) (レス) id: 82332159e0 (このIDを非表示/違反報告)
スーさん。(プロフ) - は、は、初めまして…!いつも楽しく読ませて頂いてます…!読む度に胸キュンが止まなくて、心臓何個あっても足んないです…(昇天) 更新頑張ってください!!楽しみ&応援してます!!! (2020年7月31日 1時) (レス) id: 1959e07ea8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:p@n@ | 作成日時:2020年7月25日 10時