カフェオレを注いだら ページ24
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マグカップを探してたら後ろからの小さな衝撃にびっくりして、危うく棚の中身をぶちまけるところだった。
「いや、危ない」
『ごめん…でもなんか、こうしないといけないと思ったといいますか…』
「とりあえず一旦そっち向いていい?」
『あ、ごめん』
身体が離れて、自分の目線より下にいるAが目に入った。やっぱりまだ目は赤くて少し腫れてる。冷やさないと明日に響くと頭の片隅では考えながらも、こっちも我慢出来なかった。
抱き締めたら、背中に腕がまわってきた。今まで一方的にこうすることはあってもそれに応えてくれたことは無かった。今なら言える気がする。
『梅ちゃん、私…』
「ちょっと黙って」
『んっ!んー!』
喋ろうとしたのにAが口を開いたから無理矢理手で蓋をした。くぐもってるから何を言ってるか分からないし無視する。
「付き合おう」
『んっ、はぁ…あの、ちょっと口塞ぎすぎでは…』
「第一声それかよ」
『や、違くて、あの…私も…そう思ってる…彼女に、なりたいです…』
「夜激しいけどいいの」
『えっ』
ネタで言ったけどあながち冗談ではない。好きな女を前に我慢出来る男はいない。いるだろうけど。
『なんか…めっちゃ大好きって思っちゃった』
「思っちゃったってなんだよ。こっちはずっと思ってんのに」
『え!』
「ただ、こんなことになる前に付き合って彼女にしとけばよかったって思うよ」
これは本音。自分のヘタレさがこんな所で出てくるとは思わなかった。
話もそこそこにやっと見つけたマグカップにカフェオレを注いでソファーに座った。
「これは事務所に言うべきなのか」
『監督のこと?』
「それもあるけど、付き合うこと」
『つっ、付き合う…!』
「今更びっくりすんなよ」
『なんか改めて言うと…幸せっていうか』
「楽しそうでいいな」
『私だって真剣に考えてるよ!?』
これで事務所が同じだったら話が早いけど、事務所が違うからなんだかややこしくなりそうな予感がする。
色々考えてたらAの事務所から電話がかかってきた。まさか聞いてる…?と思ったけど江口さんと西山が監督の話を事務所にしてくれてたらしい。
『あの監督と私、共演?なんて言うんだろう、分かんないけど接近NGになったって』
「それは良かった」
けど、あることに気付いた。
Aの周りには思ったよりも男がいることに。
もう嫉妬か、早いな。
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ばんそうこう(プロフ) - p@n@さん» なるほど…!ラジオで公表する前のお話だったのですね。返信ありがとうございます!引き続き応援しております! (2021年1月4日 0時) (レス) id: 61bb474ff8 (このIDを非表示/違反報告)
p@n@(プロフ) - ばんそうこうさん» コメントありがとうございます!ややこしてすみません。ラジオで発表したあとにTwitterで公表していますが彼はその放送前に知ったような流れです。近く修正しようと思います! (2021年1月3日 23時) (レス) id: 82332159e0 (このIDを非表示/違反報告)
ばんそうこう(プロフ) - 楽しく読ませていただいております!29ページのTwitterでたろりは二人が付き合っていることを把握している様子なのですが、31ページでは初めて知ったような描写がありますが…時系列について混乱してしまいました。読み落とし等ございましたら申し訳ございません! (2021年1月3日 23時) (レス) id: 61bb474ff8 (このIDを非表示/違反報告)
p@n@(プロフ) - スーさん。さん» あ、あ、ありがとうございます……!とても嬉しいです。これからも頑張ります! (2020年8月2日 2時) (レス) id: 82332159e0 (このIDを非表示/違反報告)
スーさん。(プロフ) - は、は、初めまして…!いつも楽しく読ませて頂いてます…!読む度に胸キュンが止まなくて、心臓何個あっても足んないです…(昇天) 更新頑張ってください!!楽しみ&応援してます!!! (2020年7月31日 1時) (レス) id: 1959e07ea8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:p@n@ | 作成日時:2020年7月25日 10時