unexpected *１１５ ページ30
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ーーガタン！
あ「！？」
蹲って泣いていると、不意に、檻の移動が止まったことが分かった。
ピタリと止む振動。
それと同時に聞こえる、外の声。
複数人ーー誰が、何人、何と言っているのかは分からない。
ただざわついた、声が、外からたくさん、していた。
状況が何も分からないまま、鉄の壁が、外されて外の光が檻の中に差し込んできた。
眩しさに目がくらむ。
それと同時に、音量が大きくなっていく『ざわつき』。
『ーーな！それはーー』
『だからーー、ーーなんてーー』
『こんなことーーされるとーー』
『ーーんで生きてーー』
「ーー死ね！」
あ「……え」
痛いほどの光量の中。
檻を囲むように埋め尽くしていたのは、人。
こちらに向けられたのは、無数の、敵意に満ちた目と罵声。
初めて明確に耳に届いたのは、私たちの存在を、全否定する言葉の数々。
あ「ーーいっ！？」
ガツン！と衝撃がこめかみに伝わる。
傍らにごろりと転がる石が目に入った。
『お前らが生きているから！うちの娘は…！』
『この化け物共！！さっさと絶え果てろ！』
『一体何の実験をしていたんだ！私の子供たちを返せ！！』
『青目の化け物！』
『化け物！』
『化け物！』
『化け物！』
あ「……………………」
ーーなんで、と。
純粋な疑問が浮かんだ。
虐げられていたのは私たちで。
実験をしていたのは研究者たちで。
彼らの子供までもが実験体にされていたなんて、知る由もなかったのに。
研究者たちの姿もある。
奴らが一番の元凶だと、分からないのか。
ーー分かっていても、関係ない？
ーーズタボロの私たちの姿を見ても、何も関係ない？
ーー私たちが、××族だから？
「そうです！全て悪いのはーー排除すべきは、この忌まわしき××族の者なのです！」
煽っているのは研究者の一人。
ふざけるなと、腹の中がえぐれるように煮え立った。
ーー誰が、誰のせいで、こんな目に合っていると思っている！！！
ーー冷たい、鉄格子を掴んだ。
手のひらに力をこめた、その時。
チ「お姉ちゃん……」
チサの弱々しい声。
チ「…………行か、ないで」
その声を聞いたら、手のひらの力がみるみる抜け落ちて。
ーーこの場にいる私たちを否定する全てを、ころしてしまいたいのに。
もう以前の姿は見る影もないほど変わり果てたチサを、力一杯抱き締めた。
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柚音(プロフ) - サンゴさん» お返事遅くなってすみません！ありがとうございます！ゆっくりとですが完結まで書き終えられるように頑張ります！コメントありがとうございました！！ (2019年1月20日 3時) (
レス) id: ba4520d13c (このIDを非表示/違反報告)
サンゴ - 続きめっちゃ気になりますっ！！ (2019年1月17日 22時) (レス) id: f7865afa83 (このIDを非表示/違反報告)
サンゴ - 話が深くて読んでいて面白いです！ (2018年11月19日 18時) (レス) id: f7865afa83 (このIDを非表示/違反報告)
柚音(プロフ) - 赤間利衣さん» あけましておめでとうございます！閲覧頂きありがとうございます！更新頑張ります！ (2018年1月2日 1時) (レス) id: ba4520d13c (このIDを非表示/違反報告)
柚音(プロフ) - ちさきさん» あけましておめでとうございます！コメントありがとうございます、更新頑張ります！ (2018年1月2日 1時) (レス) id: ba4520d13c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚音
| 作成日時：2014年5月20日 19時
