unexpected *１０５ ページ19
奴の血に塗れ、熱い皮膚に耐えて、斬撃と打撃を繰り返す。
他の兵士は下手に援護をしても無駄だと思ったのか、近くで見ているだけだ。
あ「…っ！」
奴がよろけたその時、今だ、とうなじにプレートで切り込みを入れようとするも、また硬化され、防がれる。
あ「本当に何なんだよ…！」
さっき砕いた顎もそろそろ治りかけている。
このままではケリがつかない。
奴もこのままでは私を殺せないと判断し、目的を変えたようだ。
周りで見ている兵士を蹴散らし、壁に向かって走り出した。
あ「待て！」
すぐに距離を縮め、また腱を狙うが、避けられる。
奴は周りの家々を砕きながら進み、私の邪魔をしてくる。
確かに、迫り来る瓦礫を避けるか砕くかして進むのは面倒だ。
その間にも奴との距離はどんどん開く。
あ「っくそ…！」
一際大きな瓦礫を蹴りで砕く。
ーーと、その時。
私の目に映ったのは。
私が砕いたその瓦礫の落下地点ーーそこに、子供が、2人ーー。
あ「………！」
咄嗟に進行方向を変えて、子供の元に着地。
戸惑い怯えるその子供を抱きかかえ、また跳んだ。
跳んだその直後に後ろから衝撃音が聞こえ、あと一秒遅かったら、と考えたらゾッとした。
あ「怖かったよね、ごめんね」
子供は泣いていた。
助けられたことにほっとしつつ、あと少しズレていたら、私がこの子たちを殺していたのだという事実。
とにかく今は、急いで安全な所にーー。
「お姉ちゃん上！！！」
子供の1人が叫んだ。
フッと私の周りが暗くなる。
ーーまるであの時の、女型の、足に踏み潰された時みたいにーー。
あ「っ！！」
ほとんど、一家の屋根丸ごとの瓦礫が落ちてきていた。
その大きさは、予想外のものでーー。
走り抜ける？
引き返す？
他の路地に入る？
砕く？
ーーどれも間に合わない！！！
「きゃあああああ！！」
「おねえちゃああああああん！！！」
子供が悲鳴を上げる。
あ「……っ！！」
乱暴だが、子供2人を思い切り地面に押し付けた。
恐怖で身を縮める2人に覆い被さる。
正直、これくらいの瓦礫なら当たっても下敷きになっても平気だ。
でもそれは私だけで、この子たちは。
ーー割れたガラスや木材の破片が散らばり、背中に大きな衝撃が加わった。
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柚音(プロフ) - サンゴさん» お返事遅くなってすみません！ありがとうございます！ゆっくりとですが完結まで書き終えられるように頑張ります！コメントありがとうございました！！ (2019年1月20日 3時) (
レス) id: ba4520d13c (このIDを非表示/違反報告)
サンゴ - 続きめっちゃ気になりますっ！！ (2019年1月17日 22時) (レス) id: f7865afa83 (このIDを非表示/違反報告)
サンゴ - 話が深くて読んでいて面白いです！ (2018年11月19日 18時) (レス) id: f7865afa83 (このIDを非表示/違反報告)
柚音(プロフ) - 赤間利衣さん» あけましておめでとうございます！閲覧頂きありがとうございます！更新頑張ります！ (2018年1月2日 1時) (レス) id: ba4520d13c (このIDを非表示/違反報告)
柚音(プロフ) - ちさきさん» あけましておめでとうございます！コメントありがとうございます、更新頑張ります！ (2018年1月2日 1時) (レス) id: ba4520d13c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚音
| 作成日時：2014年5月20日 19時
