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Case84 ページ3

『んな゛』


湿布を構えた私は、

目の前の光景に絶句した。

絶句しすぎてご飯食べ過ぎたときに持ち上げられた猫みたいな声が出た。



『……なんすか、これ…』

「………なんだろうね」

『貴方が!一番!わかってることでしょうが!!』


思わず湿布をくしゃりと握りつぶしてしまい、慌てて新しいものを出している傍ら、

彼は「そんな声出すの珍しいなぁ」とどこか楽しげだ。

この背中、叩いてやろうか。


背中の大半が青アザ。

湿布なんかじゃ覆えない。


『…病院は』

「行ったよ。経過観察だって」

『そう、ですか…』



あまりにも痛々しい。



『とりあえず、どこが一番辛いですか』

「中央あたり、かな」

『中央…』


よくよく見てみれば、そこの青アザが特に酷い。

まるで、棒で殴られたみたいな…。



『は、貼ります』

「ん」



そっと湿布を貼るが、降谷さんは微動だにしない。

どうやら痛みはなさそうだ。



(……こんなボロボロの背中で)



この人は、たくさんのものを背負っているのか。









「……えっと……Aさん、くすぐったい」

『え』

「……背中、気になる?」


肩越しにこちらをみた降谷さんはクスッと笑う。

そして私は、無意識に降谷さんの背中に触れていたことに気がついた。



『すんません』

「え、いや、そんな手を挙げなくても…」

『セクハラ、ダメ、ゼッタイ』

「いやまぁそうだけど」



降谷さんは困ったように眉を下げる。



『Tシャツ、キマショウ。オベントウ、ツクリマス』

「うん、ありがとう。
それよりカタコトやめようよ。おもしろいけど」



「なんだか寂しい」とまた眉を下げて笑うもんだから心臓が苦しくなったのは仕方がないことだと思う。

だって顔がいいもの。



『……一応、毒いれてないか見ます?』

「入れる入れないともかく、君の家事してる姿が見たいかな」

『なんもおもしろくないと思うけど…』

「少しでも家庭を感じたくてね」


私と一緒に立ち上がった降谷さんは肩を竦める。


『…好きなオカズ、あります?』

「サービスしてくれるの?」

『……そんなこと言われちゃあ…何か作りたくもなります…』

「……君は本当に優しいというか、愛らしいというか」

『…オカズ……』

「卵焼きが食べたいな。できればだし巻きで」

『わかりました』

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ユナ@前垢消えた(プロフ) - 最高すぎて一気読みしちゃったでし、、、、、更新待ってます!!!!!!! (6月25日 8時) (レス) @page26 id: 0fb864c8c1 (このIDを非表示/違反報告)
ぴかそ - 初めまして!面白くて2日で一気読みしちゃいました!!私のスマホ終わりって表示されてますけど嘘ですよね!?続きが気になりすぎてハゲそうです、、、!いつか続き見れたら嬉しいなぁ〜、、、!! (2023年4月11日 16時) (レス) @page26 id: 515339af0b (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - 続きが気になります!体調を崩さずに! (2022年12月23日 0時) (レス) id: 8331d59edc (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 続きが気になり過ぎます!!続きが更新される日を心待ちにしています!! (2022年7月16日 3時) (レス) @page26 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - ああああもう最高です。。。😭安室さんかっこいい。。。 (2022年4月30日 8時) (レス) @page26 id: 011262e667 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヤギとポン酢 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/  
作成日時:2018年9月7日 17時

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