・ ページ11
_LEO
家に着いて、着替えて一息ついた頃、インターフォンが鳴った。
カメラに映っているのは帽子を深くかぶってマスクをした男の人。
唯一見えている目はぱっちり二重のまんまるで、うさぎみたい。
これだけでグギヒョンだってわかっちゃうなんて僕も相当だなぁ。
『どうぞ。上も開いてます。』
それだけ言ってドアを解除したら、ヒョンは小声でありがとう、と言ってカメラから消えた。
1階の玄関から、エレベーターを上がって、僕の家に入るまで30秒かそこら。
ついにヒョンが来る。
緊張して震える指先を吐息であたためて大きく深呼吸。
コーヒーでも淹れようか…いやお茶の方がいいかな…。
あ、そもそも夜にカフェインはやめた方がいいか。
そんな余計なことを考えていたらガチャリと玄関からドアの開く音が聴こえた。
続いて、バタンとドアの閉まる音、カチッと鍵を閉める音。
玄関まで出迎えに行こうとリビングのドアを開けたら、目の前に息を切らしたグギヒョンがいた。
『ヒョン…』
JK「レオ…、仕事疲れてるのに、ごめんね。呼んでくれてありがとう。」
『ヒョンこそ、音楽祭で疲れてるのに…。来てくれてありがとうございます。座ってください。』
ソファに誘導したら、ヒョンは小さくありがと、と呟いて、端っこにちょこんと座った。
その少し自信なさそうな様子にさっきまでのアイドルの面影はなくて、
僕と同じ普通の人間って感じがした。
僕はローテーブルを挟んで向かい側に正座。
『ヒョン、僕、この前のこと正確に覚えてないんですけど…。』
JK「そうだよね、レオ酔ってたから…。まずそこから説明するね。」
相変わらずヒョンは眉を八の字に下げながら、あの日、僕がお酒を飲んだ後のことを話してくれた。
JK「……だから、レオは何もしてなくて、俺が勝手に…我慢できなくて…。本当にごめん。レオからカトクが来た後も、携帯壊しちゃって返事できなかったんだ。」
グギヒョンがポケットから取り出した携帯は、たしかにこの前とは色が違う。
『その…。なんで、ヒョンは…。』
JK「あんなことをしたのかって？」
『はい。』
同じ男の僕に、なんで？
誰でもよかった？なんとなく？
グギヒョンはそんなことする人だとは信じたくないけど、僕が知ってるグギヒョンは、ほんの一部分なのかもしれない。
今日のステージみたいに、知らないグギヒョンがまだいるのかも…。
_
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 264人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ポニョ(プロフ) - omiu8899さん» omiu8899さん、ありがとうございます！いつも優しいコメントに助けられました♪ 番外編の幸せストーリーにもお付き合いいただけたら嬉しいです！ (2021年11月21日 13時) (
レス) id: 1603e93fa5 (このIDを非表示/違反報告)
omiu8899(プロフ) - ポニョさん» 無事完結おめでとうございます！！2人が幸せなら私も幸せです！！そんな幸せラブラブな2人の番外編ストーリーも楽しみにしております！改めて本編完結おめでとうございます！お疲れ様でした(*^^*) (2021年11月21日 0時) (レス) @page25 id: 8cab90b17e (このIDを非表示/違反報告)
ポニョ(プロフ) - うゆさん» うゆさん、ありがとうございます！最後まで読んでいただけて嬉しいです。番外編もよろしくお願いします♪ (2021年11月21日 0時) (レス) id: 1603e93fa5 (このIDを非表示/違反報告)
うゆ(プロフ) - 完結おめでとうございます！番外編も楽しみに待ってますね！お疲れ様でした！ (2021年11月20日 23時) (レス) @page25 id: 0686dad9b0 (このIDを非表示/違反報告)
ポニョ(プロフ) - omiu8899さん» omiu8899さん、やっと…でした！長々と見守ってくださってありがとうございます！あとは2人の幸せな日常とか書いていこうと思います♪ (2021年11月4日 22時) (レス) id: 1603e93fa5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ポニョ | 作成日時：2021年10月22日 17時
