友情の先にあったもの。(ymin)

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YM side


自宅のソファにいのおちゃんを座らせて私はキッチンへと向かう。

ワインとオレンジリキュールを小鍋に注ぎ、シナモンも入れて鍋に火をかける。

温まったことでより一層、ワインとシナモンの香り増して、キッチンにふんわりと香りが立ち込める。

その匂いはリビングにいたいのおちゃんまで届いたようで、いのおちゃんがカウンター越しに覗きこんで来た。


「何作ってるのー？」

「ホットワインだよ。体温まるし、落ち着くかなって」

「こういう時はフツー紅茶とかコーヒーとかかと思ったよ」

「だっていのおちゃんはお酒の方がいいでしょ？それにあなたコーヒー飲めないじゃん」


愛くるしい見た目に反してこの人はめちゃくちゃ酒を飲むので。
しかも、すぐ酔っぱらってしまう私とは対照的にいつまでも飲み続けられるタイプ。

ホットワインを耐熱グラスへ移し、常備してあるレモンのはちみつ漬けをそっと浮かべて出来上がり。


「ありがとう。超おしゃれなやつ作ってくれてんね」

「ただのホットワインだけど。どうぞ」


渡したグラスを両手で包みこんで、フーフーしながら一口飲むと目を輝かせて喜んでくれた。


「なにこれ！？おいしい！いっつも私家だと缶チューハイしか飲まないんだけど」

「私、これ好きでたまに家で作るの。いのおちゃんも気に入ってくれて嬉しい」


外でも飲んできたから普段であれば私はもうこれ以上は飲まないが、今日は自分用のグラスにも同じものを注いでソファに座るいのおちゃんにピタリとくっ付くように座る。

ソファが私の体重分沈み、大した振動ではなかったはずだけどいのおちゃんがそのまま私にもたれかかってきた。

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