Thursday1 ページ19
YM side
夕暮れの公園でふと黙った恋人が見つめてきたかと思うと、大きくたれたその目をそっと閉じて佇む。
夕日に照らされ柔らかそうな髪の毛がキラキラ光る。
当然のようにキスする雰囲気だと思い唇を合わせるが、離れたあとその恋人から放たれた言葉といったら……
「あーあ……騙されたっ！」
「え…。何が。」
「まぁ。＿＿いいよ。」
逸らされた伊野尾ちゃんの目線。
あ、また俺はやらかしたのかもしれない。
ピピピとうるさく鳴る目覚ましの音で目が覚める。
「はぁ……」
夢……じゃない。昨日の出来事だ。
あぁ、行きたくない。
またしてもあの人のテキトーな冗談を真に受けてしまった。
体を起こし身支度を始めるが1つの動作ごとにため息が出る。
先週までの自分はこんな人間だっただろうか。
どんな顔して会えばいいかなんてこんな感覚久しぶりで忘れてたけど。
今日伊野尾ちゃんの態度が突然かわってたら？
今までのが冗談だと思ってたら……もしかしたらもう友達ですら……
グルグルと悩みながらも昨日と同じ場所にいると伊野尾ちゃんがやって来てくれた。
「おはよー」
あまりにも自然なその声に俺はやっぱり焦りが隠せない。
「あ…おはよ、う」
「なんだよその顔？」
「え！？何か変……？」
「昨日の朝はあんなに明るい声で電話してきたのに今日はなんかじめっと待ってんだもんなー。
お前って読めねーな。」
だって昨日はほんとに伊野尾ちゃんを待ってる時間が楽しかったし。
でも今日は昨日の公園でのことを思い出しては頭の中がグルグルしてる。
「あ。いきなりおはようのチューとかすんなよ！」
そう言いながら唇の前でバッテンを作る伊野尾ちゃん。可愛い。
「昨日のはあくまで事故だから！！山田の過失による。」
伊野尾ちゃんの言い分に思わず吹き出してしまう。
「あはは、昨日のは事故じゃなくて罠だよ。」
「俺のせいみたく言うなよ。」
バッテンを作ったまま不貞腐れているが、あれは10対0で伊野尾ちゃんのせいだよ。
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ぽんた(プロフ) - ひとみさん» コメントありがとうございます(*´ω`*)好きと言っていただけて嬉しいです！亀更新ですが頑張っていきます！！！ (2021年9月11日 14時) (
レス) id: 26174ade27 (このIDを非表示/違反報告)
ひとみ(プロフ) - この作品めちゃ好きです!! いつも更新楽しみにしてます!! (2021年9月11日 14時) (レス) id: e39657dd30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽんた | 作成日時：2021年3月7日 9時
