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237話 ページ45

……。
そうだ。Aちゃんが、明確な敵の前に足を踏み出すのは、今回が初めてだ。
どんなに怖かったことか、計り知れない。
改めて俺と重ねて、思ったんだろうな…。
でもね、

「何も無い、訳じゃあ無いよ。」

何だろな。
Aちゃんは、たまに、俺が男だと言うのを忘れてる気がする。
船出る時もそうだったな…。
ちょくちょく、男だよって伝えてるんだけど、折角だし、一つ、入れとこうか。
今回Aちゃんを助けたのって、武力組のイメージが強いしね。

「俺だって、武器は持ってる。」

皆にばっかりいい格好って、悔しいよねえ。
俺も、ちゃーんと意識してもらわなきゃ。

ゲンが、Aの顎に手を添え、そっと後ろを向かせる。

「俺も、牙はあるんだよ。」

Aの目には、瞳を蠱惑的に細め、牙を剥き出し、にやりと笑いながら真っ直ぐ見詰めるゲンが写った。
その表情は、複雑な機能をもつ美しさがあった。
妖艶、艶美、魅惑、およそ、妖しげや美しさというものを一身に詰めた、男の顔であった。

かあああああああ

Aの顔があっという間に赤に染まる。
吸い込まれそうに惹き付けられるその怪しげな笑みから何とか目を逸らすと、膝を立て三角座りの形をとっていた自分の膝に、顔を埋めた。

どきどき

どきどき

鼓動が少し、早くなった。

何、何何何!?
ゲンさんの、あんな顔、初めて見た…。
男の人、だった…。
この、背中の固さも、私の両側にある足も、全部、男の人のものなんだ…。
何か、何か、凄く…恥ずかしい…。
私、今、男の人と、一緒にいるんだ…。

自分の思考によって、更に赤くなったAは耳まで赤くなっていた。
顔を伏せていても、それが分かる。
それを、ゲンは満足そうな顔で見ていた。

Aちゃん、本っ当に可愛い。
多分、今君の思考は俺で埋まってるんでしょ?
最高に気分がいいねえ。
ねえ、Aちゃん。
そのまま、俺でいっぱいになってよ。
俺の事を考えて、俺の行動で一喜一憂して、俺だけを見てよ。
思考の全部を、俺に向けて。
俺はね、もう君じゃないと嫌なんだ。
俺の中は君しかいない。
君だけだ。

君だけ、なんだ。

「ねえ、Aちゃん。」

初めての感覚に落ち着かない気持ちのAに、そっといつもの優しいゲンの声が入った。

「おかえり。」

その言葉は、優しくAの中に浸透した。

「…ただいま。ゲンさん。」

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Jane Doe(プロフ) - メウさん!そう!作画めっちゃ良いですよね!3期が楽しみすぎる!こちらこそ!お読み頂き、ありがとうございます(^^) (2023年3月31日 8時) (レス) id: 7151efa53f (このIDを非表示/違反報告)
メウ(゜ロ゜) - 激しく同意です。Dr.STONEのアニメって作画もいいし、めっちゃいいですよね。あと、更新ありがとうございます!! (2023年3月31日 7時) (レス) @page46 id: c71eec4ba7 (このIDを非表示/違反報告)
Jane Doe(プロフ) - 呟きです。2期OPのゲン、めっちゃ良いですよね。 (2023年3月31日 1時) (レス) id: 7151efa53f (このIDを非表示/違反報告)
Jane Doe(プロフ) - 神夜さん!読んでいただけているのが嬉しいです!分かりますー。私ももっとドクターストーンの小説読み漁りたい…!ぜひ最後までお付き合い下さい! (2023年3月31日 1時) (レス) id: 7151efa53f (このIDを非表示/違反報告)
Jane Doe(プロフ) - たくあんさん!コメントありがとうございます!神とは!嬉しいですね。その言葉をかけてくれるたくあんさんのが神ですよ! (2023年3月31日 1時) (レス) id: 7151efa53f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Jane Doe | 作成日時:2023年3月24日 0時

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