石の世界の片隅で5

230話 ページ38

こおおおおおお

まずは、クロム。

アマリリス。

大樹。

フランソワ。

次々に、石化を解いていく。

「なあ、千空。」

「あ？」

「A、早く起こさなくていいのかよ。」
「ずっと、会いたかったんじゃねーのか？」

「…。何言ってやがる。あいつはずっと、一人だったんだぞ…？」

……!!

「ああ、そうか。」
「皆で、迎えてやらねーとな!!」

龍水。

ゲン。

キリサメ。

その後も着々と石化を解いていき、残るはコハク、銀狼、Aの三名となった。

「…何が聞きたいの？」
「私を優先的に起こした理由があるんでしょ。」

キリサメが、千空に問う。

「ああ、そうだ。」
「後宮の石像。てめえなら何処に捨てたか知ってんだろ。」

ざっざっざっざっ

キリサメの案内で科学王国民は移動を始めた。

「一か八かの賭けだったと言うことに変わりは無いのだ！」
「この銀狼の傷、本当に治るのか？」

金狼が千空に言った。

「くくく、復活液の修復力なめんじゃねえぞ。」

こおおおおお

そこには、傷など最初から無かったかのような
銀狼の姿があった。
またコハクも、変わらぬ姿でそこにいた。

「問題なく治ってるね。」

仁姫が言う。


ああ、石化様々じゃねえか。
これで、あいつの傷も…。


千空は僅かに口の端をあげた。

皆が喜ぶ中、千空が口を開いた。

「おい行くぞ。最後の一人が、待ってる。」

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