あんたへ2 (ページ5)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:24,278 hit

vol.53 ページ5

目が覚めて、2日間が経った。

しかし、まだ俺は命を絶とうとした理由をまだ皆に話せていなかった。

それより、目的を果たせなかった悔しさが勝っているからだと思う。

樹｢なあ、なんであの時…｣

ほら、今日だって。
樹が揺さぶりをかけてきた。

北｢時期が来たらね。｣

そう言ってまたごまかすんだ。

ごめんね、弱い俺で…。

樹｢…ほら、話せば楽になる事だってあるだろ？もう、苦しんでる北斗俺は見たくない…。｣

北｢…ごめんね。｣

またそうやって謝るんだ。
誰が悪いって、俺が1番悪いのにね…

もうすぐ入院して3週間が経とうとしてる。
今まであんなに仕事に囚われてたけど、今は逆だ。

もう、仕事は出来ないんじゃないのか？
もしかしたら俺の居場所ってもう無いんじゃないか

そう考えるようになってきた。

今、事務所では俺自身活動休止にして貰ってる。

皆には言ってないけど、この間滝沢くんが来てくれた時に、そう決まった。

実は、この間医者にもそろそろ危ないと言われた。

本当はメンバーに1番言わなきゃいけない。
でも、何となくだが、頼る気になれなかった。

ただ、同い年である目の前にいる田中樹にはどうやら色々お見通しだったらしい。

しばし沈黙が流れたが、樹が口を開いた。

樹｢ねえ、いつまで隠してるつもり？そんなにメンバーに話せないことなのか…？｣

北｢…え？｣

樹｢北斗の顔見てりゃ分かるよ。きっと言いづらい事なのかもしれないけど…。でも、おかしかったよ。他は知らないけど、未遂した2日前に俺がお見舞い来た時、無理してるのが見え見えだったよ。少なくとも…、多分俺と髙地は気づいた。本当は今日2人で聞き出そうとしたけど、あいにく奴はスクール革命の収録中だわ笑｣

北｢…。｣

なんで気づいてんの？

なんか樹に負けたみたいな気持ちになったのか、気がつけば涙が1粒握りしめてた布団に落っこちてた。