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それに、けっこうハードな合宿っぽい。冷蔵庫をのぞいたら、お菓子とかジュースとかに呪いがかかっていた。かなり、強力な。ヴィルならやりかねない。
「…A先輩、貴方は料理が得意かしら?」
「え!い、一応できますっ」
なんで年下に敬語を使っちゃったんだろう。…多分、そのときのヴィルの顔が、あまりにも悪そうだったからだ。
 こうして僕は、期せずして料理、洗濯、掃除係になったのだった。やたらめったら料理についての注文が多い。作れと言われたものは、どれも美容や健康に気を使ったものばかり。一流は違うなぁ、としみじみしながら彼らの練習の間、僕はごはんを作った。
 リリアさんには、一応しばらく寮に戻らないと連絡しておいた。
 食事のとき、1年生の子たちはちょっと物足りなさそうだった。そうだよなー、成長期だから。で、僕も同じごはんだった。まあ僕はそれでいいんだけど。
「こんなじゃ足りないよねー?」
そんな彼らに話しかけてみる。
「え、まあそれはそうっすね…」
「てか先輩って、何者?」
赤毛の彼に言われたので、自己紹介しておく。ついでに彼らのことも教えてもらった。僕が4年生だと言うと、かなり驚かれた。
「あれ?4年生帰ってない?」
「うーん、あんまりというか…レイヴァース先輩がはじめまして、です」
やはり研究発表とかがある人は、忙しいのかもしれない。こんなにのびのびしてるのは自分くらいなんだろうな。
「先輩は?」
「もう実習終わって、ヒマなだけ」
「えー羨ましいです」
エースはそう言ったが、ヒマすぎるとそれはそれで退屈なのだ。
「コイツら、夜にお菓子食べて呪い食らってたんだゾ」
「お前もだろ」
「え、まじか」
どうやら本当らしい。嘘だろ。あの呪いは、ヴィルのユニーク魔法だという。呪いって…怖すぎる。
 そうか、だからさっきお菓子を回収されたのか。で、今はもう呪いをかけられただろう。雑用係にも容赦ないなー。


 そんなわけで、僕になんの得もない美容生活が始まった。「辛いなー」って言っていたらエースとデュースと仲良くなっていた。
 グリム?知らないね。
 ヒマ人生活を脱却して、わりと忙しくなりはじめた僕の生活。
 まず朝ごはんを作り、洗濯をする。午前中は掃除もする。そして、ユウに手伝ってもらう動物言語学。放課後は、部活があれば部活。今は文化祭の出し物の話をしている。それからバイト、ミスしないようにバイト代を稼ぐ。帰れば夜ごはんを作る。
 ちょっと忙しすぎるカモ…。

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しあ(プロフ) - 雪華さん» コメントありがとうございます。最近ですと呪術廻戦ですかね。 (2021年3月5日 21時) (レス) id: 46cd819be0 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 高評価しました!知ってるアニメは何ですか? (2021年3月5日 21時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しあ | 作成日時:2021年2月28日 20時

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