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「え…？」
先程のタイピングに黒いシミが出来たのは、雨ではなかったのだ。
現に今、体はどこも濡れてはいなく、Aは自分の頬に手を当てると、真っ直ぐに流れる生暖かい水の感触に気付く。
「…あれ？」
気付いた時には、涙がポロポロと流れるのを止める事も出来ず、目から溢れる涙を必死で服の袖で拭うもそれも虚しく、ただただ袖を濡らす範囲が広がるだけだった。
「もう堪忍ならん。あの男を懲らしめてやるさかいに…A、はよ言いなはれ…」
美智子の言葉への拒否に、頭を左右に振り、頑なにイライの場所を吐かないでいるAだが、
━ 先に行くよ！
船の方から、もうすぐ解読が終わるというイライからの知らせが入った瞬間、つい目線をそちらの方へ向けてしまった。
「あそこか…」
目敏くそれに気付いた美智子はそう呟やき赤黒いモヤを残し、一瞬にしてその場から消え、次にはイライが倒れる知らせがメンバーに入る。
ギシギシとロケットチェアが軋めく。
もう少しで一台暗号機の解読を終わらせれると思い、欲を出したイライは瞬間移動で飛んできた美智子によって、厄災を食らい一撃でダウンしてしまったのだ。
船首付近のロケットチェアに座らされたイライは、なんとか抜け出そうと体を捻らせるが、そんな無駄な行為を美智子は嘲笑い、冷たい目でイライを睨み付けていた。
「あんた…今どんな気分や？」
冷淡な声質。
ハンターとは試合外の時にもお茶を飲んだり、雑談する等の交流が多少あったりするも、このような冷酷な声をイライは聞いたことはなかった。
ハンターとしての本気だろうか。
威圧によって冷や汗が流れ、恐怖に体が震える。
だが、一呼吸置いて自身を落ち着かせ、美智子の問いに張り付く喉を無理矢理に答える。
「…ど、どうもこうも最悪だとしか言えないな…昨夜からツイていないよ…」
イライが悔しそうに溢し、後悔の念を募らせた。
「何や…昨夜何があったん…？」
心なしか少し美智子の雰囲気が穏やかになったのを感じると、イライはぽつぽつと昨夜の出来事を話始めた。
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虚無僧(こむそう)(プロフ) - HIROさん» ご感想ありがとうございます！飛される時のイライ君の声が好きです。コメント本当にありがとうございました！やる気パワーが満ちてきます＼(^o^)／ (2019年6月23日 3時) (
レス) id: bf4e788763 (このIDを非表示/違反報告)
HIRO(プロフ) - すごい好きでした……！美智子さんが怒ってくれてイライくん飛ばすとことか最高です(_.ω.)_:∵ｸﾞﾊｯ!! (2019年6月22日 20時) (レス) id: 1744d7d8f6 (このIDを非表示/違反報告)
虚無僧(こむそう)(プロフ) - はるさめさん» 御感想ありがとうございます。久々の更新になりましたが、こうしてコメントをいただけると、書いて良かったと報われます( ；∀；)ありがとうございました！ (2019年6月11日 15時) (レス) id: bf4e788763 (このIDを非表示/違反報告)
はるさめ(プロフ) - 最高でした...！最初はどうのなるのかと思ったんですがラストのイライくんめちゃめちゃカッコよかったです...。ページを進めるのが楽しみでスラスラと読めました。とても好きです。 (2019年6月11日 1時) (レス) id: 8a587298f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虚無僧(こむそう) | 作成日時：2019年6月11日 1時
