16 ページ16
━━━…………
「A、食べ終わったのならいい加減フォークを手放したらどうだ？あと、顔がだらしないぞ…」
イライの声でハッと現実に引き戻されたAは、周囲を見渡すといつの間にか皆食事を終えて、人もまばらになっていた。
「なんか食べた気がしない…」
イライの告白時を回想していたAは、ぼーっとしながら食事をしていた為に、料理を堪能することが出来なかったようだ。
腹には入っているので満腹感はあるが、満足感が足りないと嘆く。
そんなAの眼前に、一本のワインボトルが掲げられる。
「ついでに、何品か持ってきたから僕の部屋でゆっくり飲みながらつまめばいい」
そう言ったイライが手にしているプレートを見ると、腸詰めをボイルしたものや、ミックスナッツ、チーズを乗せたカナッペ等、少量ずつ盛り合わせされていた。
「私の好きなものばかりだ…」
「君の事はちゃんと見ていたからね。だから、あまり他の男には近付き過ぎないように気をつけて」
自ら目元の布を外すと、それを首にかけ、Aの目を見て話す内容は、昨夜の飲み会について言っているのだろう。
Aが口にしていた物、ウィリアムとのじゃれあい。
その時は、目を合わせられなかったとはいえ、ちゃんとAの行動には目を向けていたようだ。
「僕は嫉妬深いよ？」
ワインボトルとグラスを座ったままのAに持たせ、額にゆっくりと口付けを落とした後、Aからは死角になっている場所に視線を向けた。
そこには一部始終を目撃していたウィリアムとナワーブが膝をついて打ちひしがれている。
額とは言え人前でキスをしたイライは、二人がいるのをわかってした事だ。この牽制で、あの二人が身を引いてくれるならいくらでもAにキスを送るつもりで。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 106人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「第五人格」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
虚無僧(こむそう)(プロフ) - HIROさん» ご感想ありがとうございます！飛される時のイライ君の声が好きです。コメント本当にありがとうございました！やる気パワーが満ちてきます＼(^o^)／ (2019年6月23日 3時) (
レス) id: bf4e788763 (このIDを非表示/違反報告)
HIRO(プロフ) - すごい好きでした……！美智子さんが怒ってくれてイライくん飛ばすとことか最高です(_.ω.)_:∵ｸﾞﾊｯ!! (2019年6月22日 20時) (レス) id: 1744d7d8f6 (このIDを非表示/違反報告)
虚無僧(こむそう)(プロフ) - はるさめさん» 御感想ありがとうございます。久々の更新になりましたが、こうしてコメントをいただけると、書いて良かったと報われます( ；∀；)ありがとうございました！ (2019年6月11日 15時) (レス) id: bf4e788763 (このIDを非表示/違反報告)
はるさめ(プロフ) - 最高でした...！最初はどうのなるのかと思ったんですがラストのイライくんめちゃめちゃカッコよかったです...。ページを進めるのが楽しみでスラスラと読めました。とても好きです。 (2019年6月11日 1時) (レス) id: 8a587298f3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：虚無僧(こむそう) | 作成日時：2019年6月11日 1時
