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「………イライ〜……？」
Aの声だ。
今まさに会いたかった人物が自分の名を呼んでいる。
だがイライは、どんな顔で彼女に会えばいいのかわからないでいた。
目元を布で隠しているとはいえだ。
「A……」
セルヴェに宣言したのだから、実行せねば後が怖いのは文字通り身をもって知っている。
だから、声を出して彼女の名を呼んだのだが、イライの出した声は緊張のあまり、とても小さなものだった。
これでは、Aに気付いてもらえないだろうと、もう一度声を出そうとすると、葉を踏む足音が近付いてくるのがわかった。
「イライ！ここの森深いから見付けられて良かったよー！」
ここに辿り着くまでに走ってきたのだろう。 額に少し汗が滲み出ているAがイライの目の前にまでやって来た。
「A…なんで…？」
「うん？」
驚いている様子を見たAは不思議そうに小首を傾げる。
「どうして僕がここにいるってわかったんだ…？」
Aは大声でイライ呼んではいたが、イライのあの小さな声ではとても聞こえるような距離ではなかった。
「だって…イライの声だもの。
どこにいてもちゃんと聞こえるよ？私はイライの声が好きだから」
Aは柔らかく笑い、当たり前のように告げる。
そんな彼女の言葉に、笑顔に、また胸が締め付けられ、イライは俯きながら呟いた。
「……も…」
「……え…？」
ぼそりと呟いた声に今度はAが驚く。
とても小さかった呟きはしっかりとAの耳に届いていたのだ。
そして、顔を上げたイライに腕を引かれ、次にはAの体はイライの腕の中に収まっていた。
「A……」
Aの頭の中は一瞬真っ白になる。
ずっと好きだった人、イライに抱き締められているのだから。
「僕も……君の声が好きだ…」
頭上から注ぐ掠れた声。
その声はAが夢で見た声と同じだった。
アキラの頭に浮かんだのは、ピアソンに言われた『予知夢』の単語。
━もしかしたら、それ予知夢かもしんないぞ〜？━
あの時に言われた言葉はこの事を示していたんだと思い、本当に起きた事に嬉しくてイライを力強く抱き締め返す。
普段ならこんな積極的な行動を取る彼ではないのだろう。
イライの胸に耳を当てると心臓が早鐘を打っていて、とても緊張している事がAにも伝わっている。
「…嬉しいなぁ…」
顔を押し付けられている声はくぐもっているが、とても幸せそうな声。
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虚無僧(こむそう)(プロフ) - HIROさん» ご感想ありがとうございます！飛される時のイライ君の声が好きです。コメント本当にありがとうございました！やる気パワーが満ちてきます＼(^o^)／ (2019年6月23日 3時) (
レス) id: bf4e788763 (このIDを非表示/違反報告)
HIRO(プロフ) - すごい好きでした……！美智子さんが怒ってくれてイライくん飛ばすとことか最高です(_.ω.)_:∵ｸﾞﾊｯ!! (2019年6月22日 20時) (レス) id: 1744d7d8f6 (このIDを非表示/違反報告)
虚無僧(こむそう)(プロフ) - はるさめさん» 御感想ありがとうございます。久々の更新になりましたが、こうしてコメントをいただけると、書いて良かったと報われます( ；∀；)ありがとうございました！ (2019年6月11日 15時) (レス) id: bf4e788763 (このIDを非表示/違反報告)
はるさめ(プロフ) - 最高でした...！最初はどうのなるのかと思ったんですがラストのイライくんめちゃめちゃカッコよかったです...。ページを進めるのが楽しみでスラスラと読めました。とても好きです。 (2019年6月11日 1時) (レス) id: 8a587298f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虚無僧(こむそう) | 作成日時：2019年6月11日 1時
