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日が暮れ始めた頃、荘園の一角では先にロケットチェアで飛ばされたイライが森の中をさまよっていた。
セルヴェの思う通り、なんとか無事に不時着出来たようだが、運の悪いことに荘園の最も深い森の中に飛ばされたようで、その姿はなんともくたびれていた。
「暗くなる前に館に辿り着けるかな…？」
肩に乗る相棒の梟に問いかけるも、何故かイライの顔を見ようとしない。
「なんだよお前まで…」
この相棒の梟を使えば、荘園の館をすぐに見つけることが出来るというのに、頑なにそれを拒絶して黙ってイライの肩に乗っている。
それも、イライがずっと話しかけているのに澄ました顔でそっぽを向きながら。
「お前も僕の事を怒っているんだろう？愚かだって…」
肯定なのか梟は一鳴して翼を大きく羽ばたかせ、イライの頬にその羽を打ち付ける。
「悪かったって。Aにもちゃんと謝るからそんなに怒らないでくれないか…」
美智子によって殴られ、セルヴェによって痛い仕打ちをされ、今度は相棒の梟にまでやられている始末。
Aの味方はこんなにも多いのに、自分には誰一人としていないのだろうかと思うと同時に、Aは皆に好かれている事を改めて自覚したようだ。
昨夜のウィリアムの件。
酒の席とはいえ、Aにキスを迫った彼は、少なからずAに想いを寄せている。
だが、それはウィリアムに限った事ではではない。
気付けば一緒にいる所をよく見掛けるナワーブもそうだ。
Aのセーブ役を買っているが、それは嫌々としたものではない。
Aがイライに積極的に体を寄せて迫る時、それを必死に剥がそうとする態度はつまり、そういう事なのだと。
イライは今までの事を思い返していると、急に胸が苦しくなるのを感じ、痛みを覚えた心臓を掴むように服を強く握り締めた。
「今更になって気付くなんて…」
自嘲めいた笑いがこみ上げようとする時、遠くの方から声が聞こえてきた。
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虚無僧(こむそう)(プロフ) - HIROさん» ご感想ありがとうございます！飛される時のイライ君の声が好きです。コメント本当にありがとうございました！やる気パワーが満ちてきます＼(^o^)／ (2019年6月23日 3時) (
レス) id: bf4e788763 (このIDを非表示/違反報告)
HIRO(プロフ) - すごい好きでした……！美智子さんが怒ってくれてイライくん飛ばすとことか最高です(_.ω.)_:∵ｸﾞﾊｯ!! (2019年6月22日 20時) (レス) id: 1744d7d8f6 (このIDを非表示/違反報告)
虚無僧(こむそう)(プロフ) - はるさめさん» 御感想ありがとうございます。久々の更新になりましたが、こうしてコメントをいただけると、書いて良かったと報われます( ；∀；)ありがとうございました！ (2019年6月11日 15時) (レス) id: bf4e788763 (このIDを非表示/違反報告)
はるさめ(プロフ) - 最高でした...！最初はどうのなるのかと思ったんですがラストのイライくんめちゃめちゃカッコよかったです...。ページを進めるのが楽しみでスラスラと読めました。とても好きです。 (2019年6月11日 1時) (レス) id: 8a587298f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虚無僧(こむそう) | 作成日時：2019年6月11日 1時
