夜のバス、銀河鉄道 _ybhk+ytin

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「薮くん、俺諦めないから！」

「俺は別にどっちでも良いんだけどなあ…」



飽きたような顔をしてタバコを消している。

そもそも友人の一世一代の恋路を、
ぷかぷかタバコふかしながら
聞くってどうなんだよ！



「今日伊野尾とたまたま昼行ったらさ、
　やたらずっとご機嫌なんだよ」

「良いなあいのちゃんとランチ…
　可愛かった？やっぱ可愛かった？
　いのちゃんのもぐもぐする顔ホントくるよね…」

「訊いてこいよオーラ半端ねえからさ、
　仕方ねえから訊くじゃん？どした？って。
　もうこれ副業だと思ってるからさあ」

「仕方ねえから訊くじゃん？何様なの薮くん？」

「したらさ、」

「訊かせてもらったら、でしょ？」

「したら、合鍵もらったの♡つって」

「ああ〜♡」


それね、訊いちゃう？と
ニヤニヤが抑えらんない顔で言ってみたら、
薮くんスンって顔から表情が無くなっちゃった。



ねこちゃんがいつでも帰って来れるように、
首輪は付けらんないから合鍵を渡してみたんだ。

そしたらいのちゃんめっちゃびっくりした顔して
いやいや、良いよ、って慌てるから、
あれ？また俺間違えた？ってこっちも焦った。

無かったことにしなくちゃ！って慌てて
鍵を取り返そうとしたら、
咄嗟にその白い指先はグーにされて。



『無くさないようにするから…』



だから取り上げないで、
みたいな目で見上げてくるから、
いやあげたんだよ、って、もう愛しくて愛しくて。

その後ずっと幸せそうにニコニコしてて、やたら擦り寄ってくるからさあ、もう俺だんだん我慢できなくなっちゃって。あーいや次の日さ、朝早かったから、今夜は何もしないでおこうって思ってたのに気付いたらベッ



「待って薮くんお会計しようとしてる？」




　

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