お世辞なんかじゃない ページ42
それからいつも通り仕事をこなして
「竹内さん」
チーフに呼ばれ、ベルキャプテンデスクへ
この時間だしもしかして...
「30番どうぞ」
やったぁー！
お腹ペコペコだったんだよね
30分の夕食休憩を貰って
ルンルンで社食へ入ると
「あっ、またチャンミンと宮本さんだ...」
向かい合ってご飯を食べている二人の姿が
目に入った
今日は珍しく日勤のアイツ
と言うことは
上がり時間も同じたから当然帰りも一緒
「ふふっ(笑)」
嬉しいな
ハンバーグ定食を頼み
何となく後ろを振り返ると
ちょうどアイツが私に気付いたらしく
ポンポンポンポンッ！と
自分の隣の席を激しく叩いてアピールしてきた
「...プッ(笑)」
そんなに叩かなくてもわかるのに(笑)
「お疲れ様です」
ぐぅぐぅとお腹を鳴らしながら
アイツの隣に腰を下ろした
「お疲れ様です！」
「おぅ、お疲れ竹内」
はぁ...やっと食べれる！
「いただきま〜す」
パクッ...！
う〜ん、幸せ(笑)
お腹が空いていたから
いつも以上に美味しく感じる
「そういえば竹内、さっきはすごかったな。
お客さんに写真頼まれたりして」
「そうなんです。私もびっく・・・」
「当然です。僕の奥さんは可愛いですから」
言い終わらない内に
アイツがまるで当然のようにそう口にした
恥ずかしいからやめて欲しい...///
「シムは正直だな(笑)」
それを冷やかさないなんて
ホント、宮本さんてどこまでもいい人！
「だけどシムだって
毎日のように写真をお願いされてるよな」
「それはきっと僕が元モデルだからですよ」
食べながらうんうん頷いた
「信じられないかもしれないけど
俺も入社して2〜3年くらいはシムみたいによく写真を頼まれたりしたよ」
へぇ〜
「そうなんですか？」
でも納得
宮本さんイケメンだし
「だけど今じゃあ誰からも頼まれないもんなぁ。年かな...」
宮本さんが少しだけ寂しそうに顔を曇らせた
宮本さん...
「そんな事ないですよ。
宮本さんは今だって十分格好いいですよ」
「ありがとう竹内。お世辞でも嬉しいよ(笑)」
「そんな！お世辞なんかじゃないですよ。
前も言った事ありますよね、覚えてますか？本心ですよ」
本当にお世辞なんかじゃない事を伝えたくて
ついつい力説してしまった
「ありが・・・」
「あっ、手がつった...！」
それに、宮本さんが口を開きかけたその時
隣からそんな声が聞こえてきた
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作者名：ami
| 作成日時：2013年7月19日 13時
