おねだり上手なアイツ ページ37
今日のご飯は何にしようかな
そんな事を考えながら家までの道を歩いて
「ただいま〜」
玄関を開けると
ぷ〜んと漂ういい香り、と同時に
「おかえりなさい！(笑)」
乙女のように菜箸を持ったアイツが
玄関まで私を迎えに来た
この匂い...
「もしかしてチャンミン
カレー作ってくれたの？」
「そうですよ？前に作ってあげるって言ったきり記憶をなくしちゃって作ってあげられませんでしたから」
覚えててくれたんだ
「嬉しい！ありがとう」
ちゅっ...
ほっぺにお礼のキスをした
「ここにも...」
すると唇が離れるなりすぐに
人差し指で自分の唇を指差したアイツが
キスをねだってきた
私より背が高いのに
なぜか上目遣いで、少しだけ唇を尖らせた顔が
びっくりする程可愛かった
男のくせになんなの...
そう思いながらもおねだり上手なアイツに
ちゅっ...
キスをしてあげた
「ふふ(笑)」
満足そうな顔
「さっ、すぐにできますから
Aさんは座って待ってて下さい」
私をダイニングのイスに座らせたアイツ
いそいそとキッチンへ向かい
時折ブツブツ言いながら支度を再開させた
「う〜ん...」
ん？味が気に入らないのかな？
何度もカレーを味見しては首を傾げている
「ふふ(笑)」
可愛い
...あっ、できたのかな
満足そうに頷いている
「お待たせしました(笑)」
目の前に美味しそうなカレーが置かれた
「やったー、お腹ペコペ・・・」
「でもその前にちょっとすみません...」
え？
それに早速ありつこうとしたら
突然、フッと部屋の電気が消された
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作者名：ami
| 作成日時：2013年7月19日 13時
