言えるセリフは ページ24
いよいよ誕生日が明日に迫り
遅番だった私は
夕食を取る為社食へ向かった
だけど...
あれ、なんだろう
夏バテかな？あんまり食欲が湧かない...
何だか食欲がなくて
チビチビざるそばを口にしていると
「お疲れさまです」
ナイトの早出残業だったアイツが
私の前に腰を下ろした
社食でアイツと一緒に食事をするのは
何となく変な感じ
照れ臭いというか、恥ずかしいというか
「...お疲れ様(笑)」
「あれ、竹内さん
全然食べてないじゃないですか」
「うん...ちょっと食欲なくて」
「え...」
私の返事を聞いて
アイツの顔つきが変わった
「大丈夫ですか！お腹痛いの？
それとも...あ！熱は？熱はあるんですか？」
かなり慌てた様子で
私のおでこにふわっと触れた
「う〜ん、熱はないみたいですね...」
真剣な顔で自分のおでこにも手を当て
熱を測ってくれる
その様子が...すごく愛しい
「ありがとうチャンミン、大丈夫だよ(笑)」
会社では名前で呼ばないようにしてるんだけど
どうしても「チャンミン」そう呼びたかった
その事に気付いたアイツ
一瞬動きを止めた後
「無理しないで下さいね、Aさん」
同じように名前で呼んで
右目を細めて心底嬉しそうに笑った
幸せ...
「ふふっ(笑)」
「シム君、隣いいかな？」
その時、三崎さんがアイツに声を掛けてきた
「どうぞ」
アイツの返事に嬉しそうに隣に座る三崎さん
「ありがとう。
あ、ねぇシム君・・・」
すぐに笑顔でアイツに会話を振り始めた
そんな二人の様子を見て
企画室の社員が声を掛けてきた
「いや〜、お似合いの二人だね」
その言葉を皮切りに
どこからともなく聞こえてくる言葉達
「ホント美男美女」
「付き合ってるって聞いたけどホントかな？」
「やっぱりお似合いだよね」
またか...
気にしない、気にしない...
でも、皆からお似合いだと言われて
「そんな...どうしようシム君」
照れたように
アイツに笑い掛ける三崎さんを見ていたら
「チャンミンは私のダンナさんです！」
そう言いたくて堪らなくなった
だけど、言えるセリフはコレ...
「...休憩終わりだからお先に失礼します」
やむを得ずテーブルに手を付き立ち上がると
グラッ...
えっ...
急に体が傾いた
次の瞬間、聞こえたアイツの叫び声
「...Aっ！！」
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作者名：ami
| 作成日時：2013年7月19日 13時
