深愛40 ページ40
...パシャッ
勤務後、皆が帰った頃を見計らって
呼び出された従業員用駐車場へと向かった
辺りは暗く
傘を差しながら伊勢谷先生の車に近付くと
「乗って」
窓を下げた伊勢谷先生が
奥の助手席を指差した
密室での二人きり
一瞬躊躇った後
助手席側に回り、意を決して車のドアを開けた
「失礼します...」
そう断って乗り込んだ車内は
マリン系のルームフレグランスが充満していて
正直酔いそう
そう言えば先生の車は
きつい芳香剤の香りなどしなかったなと
この時気付いた
ほんのり香るムスクの香りが心地よくて
清潔感ある先生ならではの香り
...先生
思いがけず懐かしくなり
胸がキュッとなった
「せっかくだから
飯でも食べながら話す？」
「いえ、結構です...」
一刻も早く話を終わらせて車を降りたい
「...そ(笑)」
あっさり納得してくれて安心した
「それで話って言うのはぁ...」
言いながらハンドルの上で腕を組み
そこに上半身を預ける勿体ぶった態度に
全身が強張っていく
先生がこっちを向いた
「シム先生と
付き合ってたんだって？(笑)」
「え...」
予想外の言葉に、ドクンと心臓が鳴った
もちろん、嫌な予感を察知して
「凄いよね、シム先生
"未成年の君"と 付き合うんだから(笑)」
「・・・・」
案の定、その予感は当たっていて
「ね、Aちゃん(笑)」
不適な笑みを浮かべる伊勢谷先生に
ただ心臓が嫌な音を立てた
「俺と同い年だから、9歳差かぁ(笑)」
そう言うと体を起こし
「シム先生は
そういう趣味でもあるのかな？」
わざとらしく首を捻る伊勢谷先生
ゴクリと喉がなった
「周りが知ったら、どう思うだろうね」
雨が打ち付ける暗い車内
再び先生が私の顔を覗き込む
ヌラリと光る眼光が不気味で
「彼は俺と違って
信用もあるし、患者からの信頼も厚い」
「・・・・」
「そんなヤツが、君みたいな子と
付き合っていたと知ったら、どうなるんだろうね？(笑)」
...そんな事、聞かなくても想像はつく
「俺は別に気にしないけど、世の中
そういう事に敏感なヤツはいっぱいいるから
患者減っちゃうかもね」
患者が、減る...
「そこで提案なんだけど」
そこで言葉を止めた先生は一転
いつも通り軽い調子で口を開いた
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神鹿(プロフ) - 見つけられました！ありがとうございます！ (2021年9月2日 23時) (
レス) id: 874191ca7a (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - 神鹿さん» 神鹿さん、私の作品ページから飛べませんか？出来ないようであれば神鹿さんの設定R18作品を読めるように変える必要があります。 (2021年9月2日 8時) (レス) id: d1c1872a15 (このIDを非表示/違反報告)
神鹿(プロフ) - スミマセンが 別部屋へは どうやったら読みに行けますか？ (2021年9月1日 22時) (レス) id: 874191ca7a (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - はるさん» はるさん、嬉しいお言葉のオンパレード！感激です。長らく放置していて気がかりだったお話を完結できて、私もほっとしています。一緒に楽しんで下さり、こちらこそありがとうございました。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: d1c1872a15 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 最後まで、ドキドキしながら読ませて頂きました。ありがとうございました。amiさんの言葉使いが大好きでした。終わり方も、ほっとする？爽やかな？心が明るくなる様なエンディングで、何度も読み返したい作品です。本当にありがとうございました。 (2021年8月30日 10時) (レス) id: 533b71ddc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ami
| 作成日時：2017年9月18日 12時
