ディスタンス14 ページ14
「そろそろ...帰ろうかな」
間もなく夜の8時を指す腕時計に目をやりながら
一人呟く
先生に断られた日曜日
気付くと先生の部屋を覗いてる自分が嫌で
一人街に繰り出した
11月...冬の街は寒くて
恋人達の距離を自然と縮めるみたい
羨ましいな...
寒さから身を寄せるように
寄り添い合って歩くカップルが多くて
やたら目についた
「あ...コレ」
素敵だなぁ...
ちょっとヒールが高いけど
こんな靴なら
先生の隣に並んでも違和感なく収まりそう...
「よかったら履いてみますか？」
オシャレなセレクトショップ
ショーウィンドウを覗き込んでいたら
店員さんが外まで出て来てくれた
「あ、いえ・・・」
すぐに断ろうとして口をつぐんだ
どうやっても先生には釣り合わない私
だったらせめて外見だけでも
妹じゃなく
彼女として見られるくらいにはなりたい
ピンヒールのパンプスが似合っていた
あの女性のように
「...履いてみていいですか？」
「もちろんです(笑)」
案内された白のスツールに座り
少しだけドキドキしながら
ワインレッドのシンプルなパンプスに足を入れた
わぁ...
やっぱり綺麗
「お客様は色が白いから
こういった色とすごく相性がいいですね(笑)」
そう、なんだ...
「エナメルだから可愛さもあって
尚且つとても上品に見えます(笑)」
上品...
そんな事今まで言われた事なかった
自分には縁のない言葉だと思っていた
「・・・あの」
「はい(笑)」
「買います、コレ」
それからは少しでも大人に見えるよう
今まで入るのを躊躇われたブランドの店にも入って
道行く景色が
お店から漏れる灯りでキラキラと輝く頃には
両手にいくつも紙袋を下げていた
「はぁ...寒...」
時計は間もなく、夜の8時半に差し掛かる
先生なら
こんなオシャレなバーも似合うんだろうな...
帰り際、ふと目にしたお店を見ながら
そんな事を考えていたら
「え...先生？」
先生が、今正に見上げていたバーから
あの女性と一緒に出てくるのが見えた
...どう、して？
だって彼女はそーゆー事をする相手で
そーゆー事を・・・
バサッ...！
私には到底理解できない世界に身を置く先生を
目の当たりにして
持っていた紙袋を思わず落としてしまった
「...あっ」
派手に散らばったそれらに
道行く人だけでなく
少し先にいる先生も気付いた
次の瞬間
私の姿を捉えた先生の目が
大きく見開いたのがわかった
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ami(プロフ) - おちゃめさん» おちゃめさん、私のお話で気分が上がるなら作者として嬉しい限りです！ありがとうございます。なかなか更新出来ず申し訳ないです。シリーズ化、二人の設定などは妄想済みですので書かせて頂きたいなとは思っています。リクエスト嬉しかったです(*^^*) (2021年5月10日 22時) (
レス) id: 0ddc4682c7 (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - りんさん» りんさん、お粗末様です(笑)こちらこそマイペース更新にも拘わらず、コメントまでありがとうございます。嬉しいです(*^^*) (2021年5月10日 22時) (レス) id: 0ddc4682c7 (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - momoさん» momoさん、わかります、いくつになってもトキメキたいですよねぇ〜。永遠の20代！(笑)変わらずお付き合い頂き嬉しいです。ありがとうございます。 (2021年5月10日 22時) (レス) id: 0ddc4682c7 (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - のこさん» のこさん、歯科医チャンミン！そうなんですよね...リアルの分まで裁きを受けさせたいのですが...←。納得のいく物が書けましたら更新しますね。いつもありがとうございます！ (2021年5月10日 22時) (レス) id: 0ddc4682c7 (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - パープルライオンさん» パープルライオンさん、こちらこそ久しぶりにも拘わらずお付き合い頂き、コメントまでありがとうございます(*^^*) (2021年5月10日 22時) (レス) id: 0ddc4682c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ami
| 作成日時：2016年12月26日 23時
