二度目の旅行15 ページ3
「なんか、のど渇かない？」
「そうですね」
「じゃあ、私買ってくるよ。
チャンミンはもう少し休んでて」
「えっ...あ、早く戻ってきて下さいね！」
背中にそう叫ぶアイツの声を聞きながら
私は飲み物を買いに走った
あの角を曲がった先に
確か自販機があったはず
「あ、あった...！」
ハァハァと
少しだけ息を切らしながら自販機に近付くと
「お茶でいいの？」
近くの店から出てきた人が
サイフ片手に自販機の前に立った
あ、あの人は...
「おー、悪ぃな...修一」
そう、「修一」という名のユウちゃん2号！
「もう食べ過ぎなんだよ、たっちゃんは...」
「ぅっ...プッ」
真っ青な顔で隣に立ったジャイアンに
ブツブツ言いながらお茶を買ってあげている
まさかまた会ってしまうとは...
「悪ぃな、ホント。
お前もまだ色々見たかっただろ？」
「別にいいよ。
それよりたっちゃんが心配だし...」
「修一...」
そっか、ユウちゃん2号は
友達と別れてひとり残ってあげたんだ
ジャイアンならここで
「心の友よ〜！」って泣きながら叫ぶんだけどな
あのシーン、好きなんだよね
ほら...叫べ！ジャイアン！
なんてバカみたいなことを考えていたら
「...お、アンタさっきの！」
ジャイアンに気付かれてしまった
「あっ...///」
ちょっ...だからどうして赤くなるの？
ユウちゃん2号
どんな顔すればいいか
わからないじゃん
「なんだよ、偶然だな...うっぷ」
相当食べ過ぎたのか
話しながらえずくジャイアン
「あの...具合が悪いなら
あっちにベンチがありますよ？」
「えっ、そうなの？センキュ・・・ぅっぷ」
「あ、ありがとうございます...///」
「い、いえ...///」
真っ赤な顔で
深々と頭を下げるユウちゃん2号につられて
なぜか私も頬を染めた
「あ、じゃあさ
案内してよ？そこまで(ニヤニヤ)」
「はい？」
「これもなんかの縁...うっぷ
な、修一！(ニヤニヤ)」
「ちょっ...たっちゃん！」
「な？いいだろ？....っぷ」
何度もえずきながら
ニヤけた顔でそんな事を言うジャイアンに慌てる
ユウちゃん2号
そんな事言われても
ベンチにはアイツがいるのに
一緒にいるところを見られたら何を言われるか
グイッ...！
「えっ...」
でもそんな事は
どうやら無駄な心配だったようで
「「「！！！」」」
チャ、チャンミン...！
気付いたらアイツの腕の中で
唇に深い深いキスをされていた
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作者名：ami
| 作成日時：2016年3月21日 17時
