かわいいアイツ ☆Changmin☆ 可愛い彼は大学生8 (ページ5)

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唯一の人物ページ5

「あ、今帰り？」

「うん」

「じゃあ一緒に帰ろ」

「うん」

「ちょっと待ってて。着替えてくるから」

早番で仕事を上がり

更衣室を出たところで涼さんに会った

「じゃあ、通用口の外で待ってます」

「オッケー(笑)」

数週間前、体調に違和感を感じ始めた頃

寝不足が続き

バックヤードで軽い貧血を起こした私

その時、たまたま面倒を見てくれたのが

パティシエの「新崎さん」

涼さんだった

それから顔を合わす度に言葉を交わすようになり

明るい性格の涼さんと親しくなるのに

時間は掛からなかった

涼さんの「人柄」がそうさせるのか

つい気を抜いて浮かない顔をしていた私の隠し事は

ほんの数日前にバレ

唯一相談にのって貰っている人物でもあった

「お待たせ(笑)」

「うん」

私より2つ年上の涼さん

「もう、支度は大分進んだ？」

あと半月ほどしたら、フランスへ行ってしまう

いつか自分の店を出すという

小さい頃からの「夢」を叶えるために

「大分ね(笑)
Aこそ、彼氏に話した？」

「・・・・」

「はぁ...まったく。
まだ話してないの？」

涼さんが呆れたようにため息をついた

わかってる

未だに生理が来ない今

アイツに、いい加減

妊娠の可能性がある事を伝えなきゃいけない事は

でも話したら

それがより現実味を帯びてしまいそうで

怖くて口にできない

「じゃあ、とりあえず
検査だけでもしてみたら？」

「...え？あっ、ちょっと涼さん！」

私が俯いてる間に、涼さんは

数メートル先の薬局に入っていってしまった

すぐにその後に続こうとして

駆け出そうとした私の足を止めたのは

「あっ！もしかして竹内さん？」

「えっ？」

「やっぱり(笑)」

後ろから私を呼び止めた

一之瀬さんだった