二度目の旅行3 ページ39
ひたすら海沿いの有料道路を走る私達の車
運転に性格が出るって言うけど
どうなのかな
さっきから見てても無茶な追い越しはしないし
遅い車を煽ったりもしない
それは軽だからって
理由もあるのかもしれないけど
確かに言われてみれば
真面目で、根は穏やかなアイツの性格が
出てる？...のかも
それにしても
車を持ってないアイツは
ペーパードライバーなはずなのに
何でこんなに慣れた様子なの？
いつかの斉藤さんのように
右肘を窓枠について、片手で運転する姿は
サングラスの効果もあって
すごく様になってる
・・・だけじゃなくて
「はぁ...信号がないなんて
つまんない道ぃ...ブツブツ」
無意識にやってるのかな
窓枠についている右手の
下唇をなぞる長く男らしい指には色気さえ感じる
色気さえ・・・
「...ん？Aさん？」
ドキィッ！
アイツをそーゆー
俗に言う「やらしい目」で見てたから
急にチラッとだけど視線を重ねられて
心臓が口から飛び出るかと思った
「どうしたんですか？ボーッとして」
「どっ、どーもしてないよ！///」
「そうですか？」
「う、うんっ！///」
あぁ、まったくオヤジか！///
パタパタと熱くなった顔を扇ぎながら
落ち着かせるように窓の外に視線を向けた
「はぁ...海、キレイだね(笑)」
好きだな、やっぱり
「...ねぇ」
「ん...？」
ふいに甲高い声で
囁くように呼ばれて振り返ると
「寂しいからそっち...向かないで？」
前を向いたまま甘える
アイツの拗ね顔
「...チャンミン」
...ほらね
やっぱりアイツは口を開けばこの有り様
だけど、そんなアイツが私は好き
「ん！」
おまけにグイッ！と右手を掴まれて
「いつでも握れるように
置いといて...？」
アイツのお腹の前で
指を絡めてニギニギされたら
「・・・・」
ちゅっ！
「！！！」
アイツじゃないけど
「なっ、なっ、なっ...
なにするんですかぁっ！///」
信号もないのに
ほっぺにキスまでしてしまう
「僕は運転してるんですよぉ！？」
「うん、そうだね。
安全運転でお願い(笑)」
「...ッ、だったら
協力して下さぁいっ！！(泣)」
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作者名：ami
| 作成日時：2015年11月10日 12時
