変わらない気持ち ページ21
「チャンミ・・・」
「どうして...またその人と一緒にいるの？
やっぱり僕の...勘違いだった？」
駅のロータリー
私達と車一台分ほど空けた距離から
アイツが尋ねる
その顔は今にも泣き出しそう
確かに今はまだ会いたくなかったけど
今朝の事はともかく
誤解を解くのは今しかないと思い直し
「涼さんは・・・」
グイッ...！
そう口にしかけたところで
隣にいる涼さんが私の肩を抱き寄せた
「どうしてって、私た...じゃない
僕達が付き合ってるからですよ？(笑)」
えっ？
「「付き合ってる...？」」
アイツと声が重なった私の肩に
涼さんがグイグイッ！と小さく力を込めた
どうやら「話を合わせろ」という事らしい
「ええ、付き合ってます(笑)
Aから聞いてませんか？」
「...ッ、そんなの聞いてませんっ！」
アイツがぎゅっと拳を握り締めたのがわかった
「そ、ならそういう事だから。
あなたみたいな「顔だけの人」はもう飽きたらしいですよ？」
「え...顔、だけ？」
「おまけに子供ぽいし
付き合ってられないって(笑)」
「...ッ！」
ちょっ...それは言い過ぎ
アイツが一番気にしてる事なのに
「チャン・・・」
「ほら行くよ、A」
グイッ！
「別れられてよかったじゃない...あ、か！(笑)」
「・・・・」
チャンミン...
茫然と佇むアイツを見ながら
涼さんに肩を抱かれて
横を通りすぎようとした時だった
「・・・じない」
「「え...？」」
「・・・んな話」
アイツが何かを呟き
私達は足を止めた
「チャンミン...？」
アイツが勢いよくこっちを見た
「そんな話、僕は絶対信じない！！」
その瞳には
今にも零れそうなほどの涙が浮かんでいて
「Aさんはそんな事言う人でも
そんな事する人でもない！」
それでもはっきりとした口調で
「だから、Aさんの口からそう聞くまで
僕は絶対信じませんっ...！！」
そう言った
「...ッ、チャンミン！」
アイツの、変わらない私を想う気持ちに
我慢できずに泣き出した私の隣で
涼さんが一人微笑んだ
「まったく...
だったら何で最初から信じてあげないのよ...(笑)」
そう優しく、微笑んだ
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作者名：ami
| 作成日時：2015年11月10日 12時
