なかなかいい性格 ページ8
「ねぇ、なんかチャンミン涙ぐんでない？」
「えー、あ、ホントだぁ...具合でも悪いのかなぁ」
あまりに美味しそうで
思わず口にしてしまったトマトを飲み込むと
すぐ後ろのテーブルから
そんな会話が聞こえてきた
「だって、クククッ(笑)
そんなにショックだったんだ、ククッ(笑)」
それを聞いた斉藤さんが
目の前で肩を揺らして楽しそうに笑った
・・・斉藤さん
果たして、こんな人だったっけ
もっと大人っぽい人かと思ってたけど
会わない間に人が変わった？
「ククク...(笑)」
でもあれか
男の人ってどこか子供っぽいところがあるし
斉藤さんもそうだったって、ことかな？
ま、アイツの場合は
まんま子供なんだけど(ひどい言い草)
「あの、斉藤さん...」
「ん？(笑)」
「後々面倒くさい事になるから
アイツをからかうのはもう辞めましょう」
「やだ」
・・・は？やだ？
今、やだって言った？
「だからさっき言ったでしょ？」
何を？
「竹内さんは俺にとって大事な後輩。
だから君を泣かせた彼には痛い目をみて貰わないと」
「そのお気持ちはとっても有り難いんですが...」
私の為を思うなら
どうかもうそっとしておいて
「それに」
「え...？」
「どうせアレでしょ？
面倒くさい事って、やきもち焼きの彼が鬱陶しいくらい甘えてくる」
うっ...なぜそれを
「違った？」
「...ッ///」
不覚にも、顔を覗き込んできた斉藤さんに
ドキッとしてしまった
さりげなく机の上で組んだ腕と
初めて見る、少しだけ上目遣いの視線に
妙に男の色気を感じてしまったから
「...ち、違わないですけど///」
「あっ、ねぇホントに具合悪いんじゃない？真っ青な顔してるよ」
「ほんとだー、フラフラしてるー。
あんなんで撮影できるのかなぁ...」
「だって、クククッ...(笑)
ただ見つめ合ってただけなのにね、クククッ(笑)」
・・・斉藤さん
あなた
なかなかいい性格してますね
はは、は...(笑)
「はぁ...」
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作者名：ami
| 作成日時：2015年6月27日 10時
