完全なる八つ当たり ページ39
「大体お前
犬に嫉妬って普通はしないぜ、まったく」
皆で寛いでいるリビングの床の上
肩肘ついて寝転んでいる大介が
呆れたようにそう言ってケータイをいじり始めた
ムッ...
何その態度
僕の話はどーでもいいって事？
「確かに大介の言う通りだよ」
隼人まで
「あんまり嫉妬深いと嫌われるぜ？」
嫌われる？
「そんな事ありませんー。
僕のAさんはそんな事で嫌ったりしませんー」
「そうかな。いくらちぃでも
我慢の限界ってもんが・・・」
「そうだよ。大体な、お前竹内に甘えすぎなんだよ。普通の女ならとっくに捨てられてるぞ」
「そ、そんな事ないもんっ！」
「はぁ...世の中、お前よりいい男なんて巨万といるんだ。いつまでもそんなで心変わりされたって知らないからな」
ご、巨万...
心変わり...
「大体竹内が心変わりしないなんて保証どこにあんだよ？お前と付き合う前は隼人と付き合ってただろ？」
「あ、大介、その話は・・・」
「親の転勤がなかったら、別れていたかわからないって竹内も言ってたんだろ？」
「・・・・」
「人の気持ちに絶対なんてないんだよ」
「・・・・」
「はぁ...ちょっとトイレ貸して、腹いてぇ。お前の作ったチャーハン毒入りじゃねぇ？...ブツブツ」
「あの、チャンミン...？大介はああ言ってるけど、俺達だっていずれは別れていたかもしれないし・・・」
「なに？ソレ...」
「え？」
「Aさんが僕より自分の事が好きだから、同情してるわけ？」
「は？何でそうなる・・・」
「隼人！」
ガシッ！
「う"っ！」
「隼人はいつまで僕に勝った気でいるんだっ！」
「ヂャ、ヂャンミン、はなせッ...」
「隼人はAさんにお弁当作って貰った事はある！ないでしょ！」
「ぐ、ぐるじい...」
「大介なんかの言うこと真に受けて勝ち誇っちゃって！」
「お前っ、ソレ完全に八つ当たり・・・」
グッ...
「グエッ...！？」
「一昨日もAさんは僕に愛してるって言ってくれたんだ！隼人にはないでしょ！」
「ナイッ、ナイからいい加減離してく・・・」
「Aさんは心変わりなんてしない！
ずっとずっと僕だけを愛していくんだからぁっ！！」
グッ...！！
「マジで、死ぬ・・・」
こうして、隼人にかけた
僕のなんちゃってスリーパーホールドは
「おい！チャンミン何やってる！
隼人白目剥いてんじゃねーかっ！」
トイレから出てきた大介に剥がされるまで
延々続けられた
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作者名：ami
| 作成日時：2015年6月27日 10時
