幸せの根拠 ページ15
ちょっ...！
この体勢、この状況
まさしくこれは
壁ドンならぬ、ソファドン！
私の脚の上に跨がり、顔の両側に手を着いて
すぐ目の前で私を見下ろすアイツ
嫉妬が滲む鋭い眼差しに
私を囲う長い腕
アイツに完全に囚われた
・・・ヤバイ、やられた
さっきまで感じていた達成感は消え
何をされるかわからない緊張感に襲われる
何を...するつもり？
体が強張り
アイツの大きな瞳から視線を外せずにいると
アイツが静かに口を開いた
「...本当はこうやって
Aさんを四六時中僕の腕の中に閉じ込めておきたいんだ」
「え...」
それは意外な言葉だった
てっきり今日の事を
責められるとばかり思っていたから
「チャンミン...？」
「こうして、僕の腕の中に閉じ込めて...
Aさんの目に僕以外の誰の姿も映したくない」
そんな...
「Aさんの耳に
僕以外の誰の声も聞かせたくない」
チャンミン...
「だから...イヤな気分なんて何も今回だけに限った話じゃない。そんなの毎日してる...毎日してるんです」
「・・・・」
...ねぇ、斉藤さん
斉藤さんに伝えた
私が幸せだという根拠は
たぶん、ここにある
普段はびっくりするほど鈍チンで
女心がわからなくて
正直泣かされる事も少なくないけど
時々、悔しくなるほど
女心を鷲掴みにするの
「だから、これからも僕は同じ事をするし
僕の目の届かない所になんか行かせない...絶対行かせないッ！」
...それが
堪らなく嬉しくて、幸せで
「わかりましたかっ...！」
「...うんっ(笑)」
だから、私の幸せの根拠はきっとここにある
「チャンミン...(笑)」
涙が滲む私の瞳に
今夜のはじまりを告げるキスが
ちゅっ...
静かに落とされた
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作者名：ami
| 作成日時：2015年6月27日 10時
