謎のメール ページ18
「じゃあ、まずはあそこに行くか...」
ハンドルを握った斉藤さんがそう言った時
アイツからメールが送られてきた
-もう車に乗りましたか？
助手席なんか乗ったらダメですよ。彼はあくまで運転手、ただのガイドです-
・・・って、もう無理だし
なぜって私を助手席に乗せた白い四駆は
とっくに走り出しているから
さっき、車に乗る際
さすがに助手席は...
そう思って後部座席のドアを開けようとしたら
「ん？どうして後ろに座るの？
タクシーじゃないよ？(笑)」
冗談混じりにそう言われてしまい
助手席に座った
アイツに本当の事を言ったら
面倒くさい事になるのは目に見えているので
嘘をつくのは心苦しかったけど
-了解-
それだけ返した
「ここの道は休みになると結構渋滞するんだ。
覚えておいた方がいいよ」
そう教えて貰った海岸線からは
キラキラ光る海が見えて、すごく綺麗
ゆっくりその景色に浸っていたかったのに
またまたアイツからメールが
確認すると写真を送れと書かれていた
若干面倒くさいと思いつつも
仕事の延長とはいえ
アイツに不安な想いをさせているのは確かなので
キラキラと光る海を撮って返信した
「いい写真撮れた？」
斉藤さんが聞いてきた
「はい(笑)」
ドアに肘をついた右手を口元に軽く当て
左手でハンドルを握る斉藤さんは
なんだろう...
すごく様になっていてカッコイイ
少し開いた窓から入る風が
サラサラと斉藤さんの髪を揺らし
その向こうにはキラキラ光る海
すごく絵になる光景に思わず見惚れてしまう
「そんなに見ないでよ？
運転に集中できない...(笑)」
あまりにじっと見ていたのか
苦笑いされてしまった
...ハッ！
「すみませんっ///」
慌てて顔を逸らし謝る
ブーブー...
すると再びケータイが鳴った
もちろんアイツからメール
確認すると
-ホトに牛れに座てるんですか？
ドライブデートは僕ねゆめだぢたんだから僕ユリ先に斉藤としちりしないでくさい！！-
きっと慌てて打ったんだろう
瞬時に理解するのは難しい、謎のメールが
「・・・・」
どれどれ...？
ホントに？後ろ...？に座ってるんですか？
ドライブデートは...僕の、夢だったんだから？
僕より先に...斉藤と、したり？しないで下さい
しばらく画面を眺めようやく内容を理解した時
「着いたよ」
最初の観光名所に到着した
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作者名：ami
| 作成日時：2015年3月28日 22時
