後悔しても遅い ページ14
「そう、なんだ...」
「はい...(笑)」
「「・・・・」」
気まずい沈黙が流れ
仕方ない、切ろうかな...
さっきまでのウキウキした気持ちはどこへやら
すっかり落ち込んでしまった私は
大人しく電話を切ろうとした
「じゃあ・・・」
「あ！」
それをアイツが遮る
「ん？」
「明日は休みですよね？何するんですか？」
「明日...明日は...」
「はい(笑)」
今は遠距離恋愛中だし
アイツに余計な心配を掛けたくなかったから
言わないでおこうかと思ったんだけど
アイツだって南川さんと二人きりなんだし...
醜い嫉妬が思いやりの気持ちをかき消した
「明日は、斉藤さんと出掛けるの...」
「えっ...」
アイツの声色が変わった
自分が悪い事をしている自覚があったので
心臓がドキドキして、ケータイを持つ手も震えた
「...斉藤さんと？どうして？」
「お客様に案内する観光名所を案内してくれるって...」
「そんなっ、どうして斉藤さんと・・・」
「チャンミンと同じ」
私は泣きそうになってるアイツの声を遮った
「え...」
「仕事の延長だよ？」
「・・・・」
これを言えば
いくら何でも何も言い返せないとわかっていて
口にした
案の定、しばらく沈黙が続き
「...友達に悪いから切るね」
そう言って電話を切った
「・・・・」
アイツが傷付くのはわかっていたのに
「何であんな事言っちゃったんだろう...」
モヤモヤ、モヤモヤ...
いつまで経ってもスッキリしない気持ち
嫉妬に負けた自分が情けなかった
「やっぱり...
言わなきゃよかったな」
そう後悔しても、遅かった
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作者名：ami
| 作成日時：2015年3月28日 22時
