予想もしてなかった返事 ページ13
「じゃあ、明日9時に出発するから」
「はい、よろしくお願いします(笑)」
「じゃあ」
アイツがそんな目に合ったその日
勤務が一緒だった斉藤さんと帰宅を共にし
家の前で別れた
以前約束した観光ガイドは
たまたま休みが重なった明日
実行してくれる事になった
あの斉藤さんの事だから
きっと為になる事を
たくさん教えてくれるに違いない
最近は怒られる事も少なくなってきたし
「ふふっ(笑)」
ウキウキした気持ちで
アパートの階段を駆け上がった
「たまには私から掛けようかな」
部屋に入り、アイツに電話する事にした
電話代がかかる事を気遣い
ほぼアイツから電話を掛けてくれていた
こーゆーところが男らしい(恋は盲目)
今日はバイトは休みだって言ってたし
この時間だと
またサークルの皆と一緒かな？
そんな事を考えなからベッドに腰掛け
コールしていると
RRR...
「もしもし？」
アイツが電話に出た
ガヤガヤと煩い周囲の音
やっぱり出てるんだ
「あ、チャンミン？今平気？」
「はい...あ、でも長くなりますか？
それなら後で掛け直しますけど」
「えっ？」
掛け直す？
「どうして？」
「あ...今日は二人だから、僕が話し込んじゃうとつまんないかなぁって...」
「二人？誰と？」
あまり深く考えずにそう聞いていた
「えっと、南川さんと...」
え...南川さんと二人なの？
予想もしてなかった返事に言葉が出なかった
「あっ！他の皆は用事があって
それで、サークルの...延長、ですから...」
そんな私の様子に気付いたアイツが
慌ててそう付け足した
でも、徐々に小さくなっていくアイツの声が
本当はサークルの延長ではないと
そう言ってるようだった
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作者名：ami
| 作成日時：2015年3月28日 22時
