アイツと同じ ページ2
翌朝
「おはよう、Aさん」
愛しそうに私を見下ろすアイツの腕の中で
目が覚めた
首の下から回した左手で左肩を
右手で頬をそれぞれ優しく撫で
愛しそうに私を見下ろしている
「おはよう、チャンミン...」
私も右手を伸ばし、アイツの頬を撫でた
いかにも寝起きな声を出す私とは違い
スッキリしているアイツの顔
「...いつから起きてたの？」
「すっごく前から(笑)」
「すっごく前から...？」
「うん。可愛いなって、ずっと眺めてた」
「...やだ///」
恥ずかしい
寝顔をマジマジ見られるなんて(今更)
思わず肩をすくめた
「やだって何ですか！こんなに可愛いのに」
ちゅっ、ちゅっ...！
顔中にキスの雨が降ってきた
「ちょっ...くすぐったいってば(笑)」
「だーめっ！(笑)」
顔を覆った両手を外された
「ここも」
ちゅっ！
「ここも」
ちゅっ！
「ぜーんぶ可愛い(笑)」
笑いながら、おでこ、鼻、ほっぺ...
顔中、至るところにキスの雨を降らせるアイツ
「ふふっ、もうっ！
ホントにくすぐったいってば！(笑)」
「ン、ンッ...ふふっ(笑)」
生まれたままの姿で
ベッドの上でじゃれ合う、最高に幸せな時間
そんな時間に
鳴り響いたケータイの音
RRR...
枕元から聞こえる
「チャンミン、鳴ってるよ？(笑)」
「うん、メールだ(笑)」
ちゅっ...
「見なくていいの？」
「ううん、見る」
ちゅっ、ちゅっ...
見るとか言ったクセにキスの雨が止まらない
「急用かもよ？」
「うん...」
最後に、ちゅっと唇にキスを落としたアイツは
ようやくケータイに手を伸ばした
「あ、南川さんだ...」
南川さんて、あのサークルの南川さん...？
ピコピコと真剣な表情でメールに返信している
アイツの横顔
「・・・・」
何だか少しだけ胸がモヤモヤした
「...急用だった？」
「いえ。クラスメイトからなんですけど
わからない構文があるから後で教えて欲しいって...」
言いながら、アイツの右手は
まだピコピコケータイを弄っている
なんて返しているのかな
可愛い絵文字とか使ってるのかな
もちろん、教えてあげるんだよね
二人きりで...？
気になって仕方なかった
こんな風に
朝から同じベッドで過ごしているのは私なのに
私もアイツと同じ
斉藤さんに嫉妬してここまで来たアイツと同じ
ただのクラスメイトの南川さんの存在が
気になって気になって
仕方なかった
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作者名：ami
| 作成日時：2015年3月28日 22時
