ギリギリセーフ！！ ページ47
はぁ...
ホント何やってるんだろう
「絶対ベストカップルに選ばれて
ディナーに招待してもらおうな(笑)」
目の前で無邪気に笑う宮本さんには悪いけど
私は今それどころではない
宮本さんと一緒な上に
ツーショト写真を撮ったなんてバレたら
どうなるか・・・
考えただけでも恐ろしい
はぁ...
RRRRR...
心の中でまたひとつため息をつくと
宮本さんのケータイが鳴った
「もしもし？」
そろそろ来るかな、アイツ
・・・ヤバイ
変に緊張してきた
手のひらにはじんわりとした汗
「えっ？階段から落ちた？」
すると突然、宮本さんが声を荒げた
「それで怪我の具合は？」
みるみるうちに表情が曇っていく
「わかった...じゃあ後で」
電話を切った途端深いため息をつく宮本さん
「はぁ...」
「どうしたんですか？」
「いや、実家の父が足を踏み外して階段から落ちたらしい」
「えっ？大丈夫なんですか？」
「あぁ、大した事はないらしいんだけど...」
そこまで話すと宮本さんは
パチンッ！と顔の前で両手を合わせた
「悪い、竹内！
ちょっと今から様子を見に行ってきていいか」
「いいですよ、私の事は気にしないで下さい。
実はさっき、知り合いからここに向かってるって連絡もありましたし」
「ホントか？」
「はい。だから気にしないですぐ行ってあげて下さい」
「悪いな」
「いえ(むしろ助かります)」
宮本さんのお父さんには悪いけど
「じゃあな」
「はい、気を付けて」
席を立った宮本さんの背中を静かに見送る
...と、ちょうどその時
宮本さんの先に外から入ってくる人影が見えた
あ！チャンミン！
店の入り口ですれ違う二人
ギリギリセーフ！！
ふぅ...よかったぁ
「はぁ...」
思わず零れる安堵のため息
「いらっしゃいませ、お一人様ですか？」
「いえ...」
キョロキョロと店内を見渡すアイツに
「ゴホンッ...」と気を取り直してから
手を上げて合図をした
「チャンミン！(笑)」
「あっ！Aさん！(笑)」
それに一瞬で右目を細めたアイツが
嬉しそうにこちらにやって来た
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作者名：ami
| 作成日時：2014年3月21日 0時
