アイツに甘える1 ページ37
「甘える？」
「そう。男の人って彼女に甘えられると嬉しいもんだよ？頼られてるって感じるみたい」
「そうなんだ...」
「そうだよ。特にシム君は自分が子供っぽいって気にしてるんでしょ？」
「うん」
「だったら、尚更Aに甘えられたら嬉しいんじゃないかな」
「そうかな...」
「うん。まぁAの性格上、誰かに甘えるって簡単な事じゃないと思うけど」
確かに...
誰かに甘えるのは正直言って苦手
「でも、シム君が好きなら...ね」
「うん...」
私が甘える事で
アイツが少しでも安心できるなら
「頑張って甘えてみるよ」
「ふふっ(笑)
甘えるのに頑張るっておかしいけど」
「ホントだね(笑)」
「でも、頑張って(笑)」
「うん(笑)」
「じゃあね」
「うん、ありがとね」
みなとの電話を切った私
「よしっ！」
気合いを入れて
早速アイツに甘えてみる事にした
今日は特に
会う約束はしてないんだけど
「スゥ...ハァ...」
私は込み合う駅のホームで深呼吸をしてから
RRRRR...
アイツの電話を鳴らした
「もしもし！Aさんっ？」
すぐに聞こえたアイツの声
「うん...」
「どうしたんですか？
仕事もう終わったんですか？」
いつもと同じ
嬉しそうなアイツの声
「うん...」
・・・ヤバイ
やっぱり変に緊張しちゃう
"彼女に甘えられると嬉しいもんだよ"
だけど、頑張らないと
「あのね、チャンミン...」
「はい(笑)」
「あの...」
「はい(笑)」
「...会いたいな」
「え...」
「チャンミンに会いたい...」
これだけの事を言うのに
馬鹿みたいに声が震えた
「今から会いに行っても...いい？」
「・・・・」
どうして何も言わないの？
やっぱり私が甘えるなんて柄じゃなかった？
「チャンミン...？」
「...うん」
「え...」
「待ってる...」
アイツの声が
さっきより優しく聞こえるのは
気のせいかな...
「待ってるよ...(笑)」
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作者名：ami
| 作成日時：2014年3月21日 0時
