受け止めてあげたい ページ23
「はぁっ...こんなことしたら
Aさんに移っちゃうかな...」
ベッドの上
アイツに頼まれ
一緒に横になっていた私に覆い被さり
熱い体をぴったり重ねて
優しいキスを繰り返すアイツ
「移ってもいいよ...」
「え...」
「チャンミンのなら移ってもいい」
「Aさん...好き」
ちゅっ...
「でも仕事は？平気なの...？」
そう言いながらも
ちゅっ...
ちゅっ...
私を求め続けるアイツの唇
「大丈夫だから...」
たくさん傷付けた分
今はアイツの気が済むまで受け止めてあげたい
「チャンミンこそっ...はぁ、大丈夫なの？」
深くなるキスの合間にそう尋ねると
アイツのキスが急に止まった
右手で私の頬を優しく撫でながら
じっと私を見下ろすアイツ
「チャンミン...？」
「Aさんは
どうしてそんなに優しいの？」
「え...」
「今回だって...ううん、今回だけじゃない、常に誰よりも僕の事を考えてくれて受け止めてくれて...僕はすごく幸せ」
私を見つめるアイツの瞳が
とても優しい
「だけど...」
だけど？
「同時にすごく不安だった」
え、不安？
「大好きなAさんが
僕をおいて一人で大人になってしまうようで...」
チャンミン...
「僕より大人に見えたあの人と、僕の手が届かない所に行ってしまうようで...すごく不安だった」
そういえば
あの朝の事まだちゃんと説明してない
チャンミンは書庫の事
ちゃんと教えてくれたのに
「チャン・・・」
そう思って口を開くと
その唇を人差し指で塞ぎ
言わなくていいと
アイツは首を軽く横に振った
「わかってるから...
Aさんはそんな人じゃないって」
少しだけ辛そうに微笑むアイツの顔
「チャンミン、ありがとう...」
その熱い頬を
両手でそっと包んだ
「はぁ...」
するとアイツの口から
一際深いため息が零れた
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作者名：ami
| 作成日時：2014年3月21日 0時
