もう一度僕を ページ41
あれから、どこかやっぱり
僕に対して違和感のあるAさん
メールも返してくれるし
電話にだって出てくれる
だけど僕が電話で
「Aさん、大好き...」
そう伝えても
「うん...」
ただ一言頷くだけで
その先の言葉は
いくら待っても言ってくれない
「...ッ、明日は早番ですよね？」
「うん」
「...会いたいです」
不安になった僕が
精一杯甘えてみても
「...ごめんね？明日は忙しいから
何時に上がれるかわからない」
そう言って甘えさせてくれない
「明日も早いからもう寝るね...」
どうして...？
「じゃあ、おやすみ」
「・・・・」
「チャンミン？」
「...おやすみ、なさい」
「おやすみ」
僕のそばから
大好きなAさんが離れていく
「Aさん...」
...ダッ！！
不安で堪らなくて
部屋着で家を飛び出した
バンバンッ！！
下で待機中のエレベーターのボタンを
思いきり叩きまくり
急いでマンションの下まで行った
エントランスを出て
Aさんの家を目指して
ただがむしゃらに走った
「ハァハァハァッ...」
Aさん
「ハァハァッ...」
Aっ...！
だけど、Aさんの家まで
あと少しのところまで来て僕は急に怖くなった
「ハァハァ...」
もしAさんに
冷たい態度をとられたら？
「ハァ...ハァ...」
それだけで僕は
生きていけない
「ハァ...」
僕の足はついに止まってしまった
「Aさん...」
俯く僕の足元に
ポタポタとアスファルトを濡らす涙が見える
お願い...
「Aさん...」
もう一度
僕を「好き」って言って
「A...」
僕は...
僕は情けないくらい君が
「好きだよ...？」
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作者名：ami
| 作成日時：2014年2月1日 23時
