アイツが教えてくれたこと6 ページ31
「ねぇ、Aさん」
「なに？」
「結愛は
僕とAさんが心から愛し合った証」
可愛い寝息を立てて眠る結愛の寝顔を見ながら
アイツがそう言った
チャンミン...
「うん...」
.
「ねぇ、Aさん。
"結ぶ愛"と書いて結愛って名前どうですか？」
結愛の名前を決めた日の事を思い出した
お腹の子が女の子だと分かって
二人で名前を考えた
この時もアイツは
「僕達が初めてこの子に贈る大切な贈り物だから...」
そう言って何枚も名前を紙に書いては
真剣に名前を考えていた
.
「ねぇ、チャンミン」
「何ですか？」
「結愛って、いい名前だね」
ベビーベッドの柵を握るアイツの手に
そっと自分の手を重ねた
「本当にいい名前...ね？結愛(笑)」
その時
結愛が寝ぼけたのか
「笑った...！」
「ホントだ」
「ふふっ(笑)
結愛が『パパありがとう』だって」
「・・・・」
「どうしたの？」
急に無言になったアイツを見ると
愛しそうに結愛を見つめる
ハッとするくらいキレイな横顔があった
「こちらこそ
生まれてきてくれてありがとう...(笑)」
優しい声でそう言ったアイツは
体を屈めて
ちゅっ...
スヤスヤ眠る結愛のほっぺに
そっとキスを落とした
「それから、A」
急に呼び捨てにされて
ドクン！と心臓が高鳴った
「...ん？」
そんな私を
アイツは包み込むような眼差しで見つめ
優しく微笑むと
「結愛を産んでくれてありがとう」
ふわっと私を抱き締めた
チャンミン...
あの日と同じだね
結愛を産んだ日も
「僕の赤ちゃんを...
産んでくれてありがとう」
チャンミンは泣きながら私を
優しく抱き締めてくれた
あの日
チャンミンは教えてくれたよね
愛する人の子供を産む事は
何事にも代え難い
本当に幸せな事なんだ...って
人はこんなにも深く
誰かを愛する事ができるんだ...って
「チャンミン...
こちらこそ結愛を授けてくれて、本当にありがとう」
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作者名：ami
| 作成日時：2013年11月15日 8時
