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負けたくない6 ページ14
「いってき、ます...」
翌日も、アイツの消え入るような声が
アイツ以外誰もいない玄関に小さく響いた
日にちが経つにつれ
アイツとどう接すればいいのか
わからなくなっていた
それと共に
あんなに腹が立っていた事も
もうどうでもいい...
そう思えてきた
ただ、どうしても心に引っ掛かっていたのが
結愛が熱を出しているのに...ってところ
でもこれだって
たまたま悪い偶然が重なっただけの事
いつまでもこのままじゃ仕方ないし
今夜アイツが帰ってきたら
ちゃんと話し合おう
この時はそう思っていた
いつものように結愛を寝かしつけ
テレビを観ながら
アイツが帰って来るのを待っていると
ガチャガチャ！
夜遅いというのに
アイツがすごい勢いで鍵を開け
音を立てて家に入ってきた
ドスドスドスッ！
...なに？
そのままテレビの横の棚に置いてある
私の鞄を手にしたアイツ
何も言わず床に置いたその中を
ガサゴソと漁り出した
何してるの...？
声を掛けたくても
アイツがあまりにすごい形相をしているので
出来なかった
すると突然
アイツがピタ！と手を止めて呟いた
「ホントにあった...」
訳がわからずアイツの様子を窺う私に
ゆっくり立ち上がったアイツが見せたもの
それは身に覚えのない
「離婚届」
これは一体、どういう事...？
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作者名：ami
| 作成日時：2013年11月15日 8時
